出版社/著者からの内容紹介
ユーラシア旅行社発行の冊子「ユーラシアニュース」の連載をまとめた写真エッセイ集です。中国、ペルシャ、インド、小アジア、ロシア、北欧など、著者自身の撮影による作為のない写真と慎み深い言葉で綴られた、著者の作品群からみると異色の作品といえます。
内容(「MARC」データベースより)
中国、ペルシア、インド、小アジア、ロシア、北欧など現代文明の深層に通じる古い精神文化や自然の畏ろしい力と向き合って生まれた言葉と写真は、私たちの魂の深いところに働きかけてくる。世界の奥行きと深層を凝縮して示す。
出版社からのコメント
日野啓三は、芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、日本芸術院賞など数多くの受賞歴をもつ日本を代表する作家の一人ではありますが、著者自身が撮影した写真がエッセイとともに発表されるのは初めてです。あるものは懐かしく、あるものは新鮮で、著者の手にかかると、暗い世界も、明るい世界も、不思議な美しさを漂わせます。それはまさに著者の魂の陰影の奥深さの成せる業であり、生涯を通じて命がけで<言葉>と格闘してきた芸術家が到達した凄みと洗練と純粋が混じり合う稀有なる創造物になっています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
日野 啓三
1929年6月14日東京都に生まれる。小・中学校時代を現韓国で過ごし、敗戦で引揚げる。1952年東京大学文学部社会学科卒業。読売新聞社入社。外報部勤務の傍ら文芸評論を執筆。外報部記者として韓国、ベトナム特派員を体験する。1966年「向う側」で小説デビュー。1974年「此岸の家」で平林たい子文学賞、1975年「あの夕陽」で芥川賞、1982年「抱擁」で泉鏡花文学賞、1986年「夢の島」で芸術選奨文部大臣賞、「砂丘が動くように」で谷崎潤一郎賞、1992年「断崖の年」で伊藤整文学賞、1993年「台風の眼」で野間文芸賞、1996年「光」で読売文学賞をそれぞれ受賞。また、2000年に日本芸術院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1929年6月14日東京都に生まれる。小・中学校時代を現韓国で過ごし、敗戦で引揚げる。1952年東京大学文学部社会学科卒業。読売新聞社入社。外報部勤務の傍ら文芸評論を執筆。外報部記者として韓国、ベトナム特派員を体験する。1966年「向う側」で小説デビュー。1974年「此岸の家」で平林たい子文学賞、1975年「あの夕陽」で芥川賞、1982年「抱擁」で泉鏡花文学賞、1986年「夢の島」で芸術選奨文部大臣賞、「砂丘が動くように」で谷崎潤一郎賞、1992年「断崖の年」で伊藤整文学賞、1993年「台風の眼」で野間文芸賞、1996年「光」で読売文学賞をそれぞれ受賞。また、2000年に日本芸術院賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
レビュー
砂漠、ヒマラヤ山脈…。人知の及ばない自然の姿や、そこで暮らす人びとの豊かな表情を切りとっており、著者自身が「ユーラシアを旅することは、私たち自身の魂の中を歩くことだ」と書く通り、心の根底を揺さぶるような風景が並ぶ。写真に合わせて著者が抱いた思いも丁寧につづられ、エッセー集としても示唆に富んでいる。(2002年9月22日付け北海道新聞)
人間が切り拓く未知の世界への触手たる科学への信頼と、太古までさかのぼる好奇心にみちた哲学的思考が、究極において詩を導き、ほの明るい光が視野全体に射している。それは、日野における死の超克、ともいえるものではなかったか。(2002年10月18日付け朝日新聞夕刊「追悼・日野啓三さん/大きな肯定への意志」大岡信)
「ユーラシアを旅することは、私たち自身の魂の中を歩くことだ」という著者は生涯、ほとんどこの大陸しか旅しなかった。自分の目の感覚に一番近いからと愛用した85ミリ単眼レンズが、風景の内奥に迫る。(2002年10月20日付け朝日新聞)