「芸能界ではうまいからって使われてることはほとんどないのよ。昔は実力の世界なんて言われてたけど、もう古い言葉。今は性格なの。だから僕が教えてるのは、『演技は努力しなくていい。性格を努力しろ』って」。
「欽ちゃん」こと、萩本欽一の本。過去の本の再発売になる。「笑い」は芸がないと難しいし、動作も入れなければいけない。一方、「ユーモア」の基本は「言葉の入れ替え」によって表現をカーブさせ、その曲がり具合で可笑しさを出すこと。だから、言葉の基本を最初にきちんと身につけておく。ユーモアがわからない相手には、こちらも直球勝負でいくしかないけれど、自分へのユーモアは忘れないようにしないといけない。
普通は「ツッコミ」と「ボケ」のコンビネーションで笑わせるが、著者が企画する番組の笑いは「フリ」「オチ」「ウケ」だという。ポイントは「ウケ」で、ボケに相当する「オチ」役を最後に褒める。これによって、不愉快さを残さずに終わる。また、「ウケ」を長くすることで、もう一段階「ウケ」を入れる。笑いをちょっとホンワカさせて、いい味がジュッと出てくる気配を包んでいく、という。
司会はできないと思っていたが、特番で1本だけ引き受けたのが受けて次々司会の仕事が舞い込んできた。下積みの頃の怖い先輩を怖がらなかったことから学んだこと。こうした経験から、嫌なところにしか運はないという。
坂上二郎、関根勉、小堺一機、柳葉敏郎など、かつて一緒に仕事をした人達のエピソードも多く出てくる。キャラクターとは、短所が伸びたところ。欽ちゃんは物語や運を大切にするという性格なので、オーディション後に候補者を全員帰した後に1時間後に電話して繋がったら運があったとして採用、なんてこともあったらしい。また、それを事前に読んだスタッフが有望な候補に指示しておいたりとか。茨城ゴールデンイーグルスの監督をやっていたときの話も載っている。