まず、本書の目的の何たるかを知って置いたほうが良いでしょう。
結論から申しますと、C++やJava、.NETといったOOP言語ではAOPの完全実現は行えないことに注意してください。本書においてはAspectJを例に取り上げ、AOPとは何かを説いています。
つまり、「AOPとはこういうものである」ということの理解を助けますが、既存の主流言語では実現の限界性があることを加味して、参考とすべきであるということになります。
では、本書は絵に描いた餅であるかというと、決してそんなことはありません。あくまでランゲージ・ニュートラルであることをイヴァー・ヤコブソン自身が明言しており、ユースケース駆動モデルとAOPは対局しないことを謳っています。
ユースケース駆動モデルの可能性がAOPにおいても通用することを示唆していることでもあり、また本書でAOPの何たるかが分かれば、それに沿った設計を行うことでAOPらしい設計〜コーディングを行えるでしょう。
バージョンアップや修正が発生したプロジェクトでも、新規機能や複数のクラスを横断する機能(つまり他のクラスに依存するクラス)の機能をポイントカットとしてアスペクトの中に包含するという考えは、ユースケースにおける<<extend>>と考えられます。
こうしたことを詳細に、またユースケースからロバストネス分析、設計モデルまでの流れも説明していて、ユースケース駆動モデルの実践的応用にも役立つことかと思います。