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ユング自伝―思い出・夢・思想 (2)
 
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ユング自伝―思い出・夢・思想 (2) [単行本]

C.G.ユング , 河合 隼雄 , A.ヤッフェ
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: みすず書房 (1973/05)
  • ISBN-10: 462202330X
  • ISBN-13: 978-4622023302
  • 発売日: 1973/05
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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この本を、読んだのは発刊から間もない頃のことだった。ジョーンズの「フロイトの生涯」を読んだ後に、ユングの伝記があればと思っていたが、当時は著作集は有ってもめぼしい伝記は無かった。しかも、ユング著作集は、一種の特異な世界からの手紙のように取っ付き難く、フロイトの「文化の不安」や「モーセと一神教」のような、問題意識に溢れてはいるが、或る意味での明快さを持ってはいなかった。其処に出て来たのが、この自伝であり、なけなしのお金を叩いて買い求めた。故に、心理学の入門書としては読んではいない。

読んで見て、先ずそのビジョンに驚かされた。幼少の頃からの思い出を書きながら、彼は、父や母の内面、本人達も気付かぬ、意識下の幾つかの性格を見抜いている様な、少年であった様だ。この自伝に書き込まれた、一種の予知感覚には、驚きを隠せない。どうも、母方から霊媒の素質を受け継いでいるらしい。小学校の頃ユングは、ひどい劣等生であり「こういう事は、良くある事で、極めて個性的な才能を持つ場合、厳格で画一的な教育には、適応不全を起こす者が多い、ダーウィン・アインシュタイン・ウイトゲンシュタイン・エジソン・ボーア、軽重は有るが、数えればきりが無い」両親が、カールの学業を心配する話を盗み聞き、本人は深い衝撃を受ける。

その様な少年期から青年期にかけてユングは、段々に精神的にも知能的にもたくましく育ってゆく。
ユングの内面では、この辺の事情も、意識下で大きな影響力を持っているのではなかろうか?
自伝を読んで行くと、そのビジョン、夢、幻影は恐ろしいくらいの原始的心性を帯びているようにも思える。強力な合理的知性と霊媒の能力が一体となり得れば、このビジョンの解明が可能なのか?
仏教の説く死生観にもユングは関心があったようだ。

とにかく、この世界の隠れたビジョンに関心の有る方はジックリ読んで見る事がよいと思います。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ユング自伝の後半である。グノーシスと錬金術を研究し、フロイトとの決別の書『変容と象徴』以来、リビドーを物理的エネルギーの心的類似物と捉えて研究した日々などについて書かれているが、その研究の動機そのものがユング自身によって書かれているのが興味深い。また晩年になっても幽霊やポルターガイストなどの超常現象が相変わらず身近に起きていたことを知ることもできる。ユングは、ボーリンゲンの湖畔に塔を建て、それを晩年に至るまで増改築していくが、最終的に四位一体のものとなり、「私自身の自我を表現した、この塔は私にとって成熟の場所、つまりは母の胎内と思えた」と述べている。「旅」に関する記述は楽しい。北アフリカ、ニュー・メキシコ、ケニアとウガンダ、インドなど。ここでユングは欧州文化に侵されていない独特な文化に初めて接し、大きな感銘を受ける様子が生き生きと描かれていて大変面白かった。最後の二章、ユングが語る「死後の生命」、ユングの内省をとりあげた「晩年の思想」は、いかんせん翻訳のためか理解できないことも多かったが、他では知ることのできないユングの内的世界に触れることができる。巻末にフロイトからの書簡、若い頃ユングが個人出版した『死者への七つの語らい』、語彙の解説が収録されている。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私にとって、ユングの心理学は謎だった。

あまりにも不可思議で、理性では受け入れかねた。

だが、この本を読んでみて、わかったことがある。

それは、ユングの本質が、「理論家」ではなく、

「体験者」であるということ。

理論よりも、自分が確かにこの目で見たもの、

この身で経験したものを信じて生きた人であったということだ。

ユングには他人には見えないものが見えた。

他人には聞こえないものが聞こえた。

この体験があったからこそ、彼は周りからは不可思議に見える理論に

その身を捧げることができたのだ。

ユングの学説そのものは

これからも完全に納得されることはないだろう。

しかし、ユングの学説に従って治療してみると、

治る人がいる、とか、学説通りに解釈すると、

上手く説明ができる、などといったことが多いため、

何となく受け入れられている、というのが、

ユングの位置なのかもしれない。

効用は確認できても、

その中身は「ブラックボックス」であり続けるはずだ。

たぶん、常識からすると、おかしく見えることでも

ユングからしてみると、ごく当然のことだったのだ。

実に、面白い本。
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