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ユング心理学と仏教
 
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ユング心理学と仏教 [単行本]

河合 隼雄
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

自身の人間理解が,西洋近代的思考法と仏教的な思惟・世界観の間で深められてきたとの認識を強める著者が,心理学との関わりで初めて仏教について語った,心理治療の核心を衝く刺激的洞察.「河合心理学」の新展開!

内容(「MARC」データベースより)

好評を博した米国での連続講演をまとめた。自らの人間理解が西洋近代的思考法と仏教的な思惟、世界観の間でなされてきたとの認識を深めた著者が、自分の経験をさらけ出しつつ、臨床心理をめぐる様々な考察を語る。

登録情報

  • 単行本: 259ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1995/10/20)
  • ISBN-10: 4000023438
  • ISBN-13: 978-4000023436
  • 発売日: 1995/10/20
  • 商品の寸法: 18.4 x 13.2 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書で河合氏は、仏教的な精神が日本人の<潜在意識>に深く浸透しているということを、自らの心理療法を通して明らかにしてくれます。まず導入部として、西欧と日本との「自我」意識の違いについて語られます。「西洋人の自我は<切断>する力が強く、何かにつけ明確に区分し分離してゆくのに対して、日本人の自我はできるだけ<切断>せず<包含>することに耐える強さをもつ」と。西欧は意識という太陽ですべての事象を明確に照らす方向に進んだのに対して、日本(仏教)は西洋とは逆に意識を月影のごとく、深層(無意識)の方向へと洗練させました。
仏教的な意識には能率とか操作とか合理的という概念がまったく存在しません。現実的に何の役にも立たないようにみえます。ところが近代自我が患っている心の病を癒す力が、仏教的な意識はもっているのではないかとユングは気がつくわけです。ユングは仏教を知れば知るほど、自分の心理療法が仏教の経典に述べられていることに深く関連していることを理解します。そこで河合氏はユング心理療法の体験過程で、仏教との接点を発見するのです。
そう考えるようになったエピソードが、ある女性との面接で語られます。治療が困難で症状が変わらず困っていたとき、氏はこの女性に箱庭をつくることをすすめます。彼女は予想以上に熱中し、その作品を見て、氏は「これで治すことができる」と予感しました。ところが次回に箱庭に誘うと、彼女は拒否したのです「私はここに治してもらうために来ているのではありません。ここに来ているのは、ここに来るために来ているだけです」とハッキリと答えるわけです。つまり、心理療法でもっとも大切なことは、二人の人間がともにそこに<いる>ことなんだと。そこには操作的なものも、「治す人」と「治される人」という区別もないということです。共に仏教的(ユング的)な深層意識に入ってゆく大切さを知るわけです。おみそれしました!
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形式:単行本
著者は、日本で最初にユング派の臨床心理学を紹介した人です。著者によると、近代の自然科学は、対象と自己とを分離する反面、「関係性の喪失」という副作用をもたらしました。これに対し、フロイトやユングの試みたことは、自我を自分自身の全体と関連付けることを通じて、この「関係性」を前提とした知を獲得することにあったと著者はいいます。

著者は、西洋社会を中心に発展した、ユング心理学を深く学ぶうちに、自分の中にある、仏教的な要素を再認識し、西洋と東洋との自我意識の違いや、母性型か父性型かといった、社会構造の違い、といった問題に目を向けるようになり、それを心理療法の現場に活かすことを試みます。

また、この本では、夢や無意識の分析など、一見非科学的に見えるユング派の手法を、どうやって日本に受け容れられるように工夫するか、といった著者の苦労談も載っています。少しでも科学的に見えるように、最初は箱庭療法からはじめ、少しずつユング派の概念を日本に紹介していく、といった著者の慎重さには、正直舌を巻きました。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
真如とセルフ 2008/6/17
By パン
形式:単行本
本書の核心は、仏教の真如とユング心理学のセルフは同じであるかどうかにあるだろう。
海外のユング派の人たちは同じであるとするようだが、河合氏はそのことに対して、慎重で
ある。
河合氏はもともと仏教には関心がなかったという。いつしか、仏教に関心を持つようになり、
自分なりにであるが、仏教が理解できるようになったという。もちろん、真如をわかろうとす
るならば、禅定によって体験する必要があるが、自分にはそのような経験はないという。その
私がなぜ、仏教を理解できるようになったのか。河合氏は本書において、そのわけを説明して
いる。
十牛図、大乗起信論、華厳経、禅などを挙げて、考察している。ユング心理学と禅との違いに
ついての説明はなるほどと頷ける。
何かの本で読んだのだが、久松真一とユングの対話は、よい成果は得られなかったようだ。
それ以後の時代に誕生した本書は、仏教とユング心理学の関連について学ぶうえで、画期的
である。河合氏の見た夢はそれを先取りした象徴として理解できる。
仏教とユング心理学に関心のある方に、本書を強くお薦めできる。
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