本書は共時性の基本的な概念を解説するだけでなく、共時的事象(偶然の一致)を感じ取る心の大切さも説いています。
自然科学の枠組みからはみ出したもの、因果律によって解説不可能なもの、そういったものとどのように人は向き合っていけばいいのか、その一つの答えが共時性という考え方であると本書は語っています。
共時性そのものが非因果律の概念であるため、それを論理的にわかりやすく説明することは大変困難なことなのでしょう。そのため、本書はいわゆる初心者にもとっつきやすく、わかりやすいという種類の本ではなくなっています。
ただ、各ページに書かれている内容をページの余白に自分の頭で整理してメモしながら読む進めてゆくと、共時性という考えの全体像がきちんとわかります。そしてこの本はそのようにじっくりと自分の手を動かしながら読まれるべき本のように思われます。
読んでいる途中、本書の難解さにくじけそうになったら本の最後に収められた河合隼雄さんの解説を先に読むと理解がしやすいでしょう。
最後に、希望する人こそ共時的現象に気がつくというところは意義深く、希望を与えられました。