話題のユリイカやくしまるえつこ特集号、遂に読了しました。
これまでも何度か雑誌で紹介されることはあったやくしまるえつこと相対性理論ですが、
いかんせんその情報量の少なさ故か、数年前の「STUDIO VOICE」特集のように
フタを空けてみたら内容が的外れで薄っぺらい…みたいな酷いことも少なくありませんでした。
そして遂に<ユリイカ>がやくしまるえつこの特集です。
丸々一冊特集に使っていることもあり、これまで出た雑誌の中でも特集規模はおそらく過去最高でしょう、
これまでの中では最も充実した内容と言っても良い出来だと思います。
何人か「?」な批評家がいるのはユリイカでは毎度お馴染み(笑)いつものことですのでそこはご愛嬌です(笑)
やくしまるえつこ本人の参加しているQ&Aとイラストコーナーと短編小説、やはりこれらが白眉の出来で、最も面白いです。
Q&Aにはそうそうたる各界の大御所が参加していますが、みんなやくしまるえつこの事がとにかく大好きなんだな〜と微笑ましくなります(笑)
彼女の回答はいつも通り端的ながらも確実に的を射ていて、秀逸すぎる言葉のチョイス、その抜群のIQの高さにドキっとさせられます。
イラストはカラーページで分量も多く圧巻、初めて見る絵も多く、いがらしみきおや幾原邦彦との往復書簡まで見れて大満足です。
短編は不思議でちょっとした怖さや不安な気持ちにもさせるような、意外にも純文学っぽい作品で興味深く、完成度が高くて驚きました。
彼女と直接の関わりがあるミュージシャンやサウンドエンジニアや関係者などの
彼女の身近にいる人々の文章は、とてもリアルにその魅力を伝えていて読み応えがあります。
やくしまるえつこのことを「世界の中心」と最初に評したスチャダラパーのボーズ氏の文章は今回も凄く面白いですし、
レコーディングの現場にいるZAK氏や米津氏のエッセイには感動するものがありました。
批評家の文章では、「涼宮ハルヒのユリイカ」にも寄稿していた上田麻由子氏による論考「いつか革命される物語のために」が特に良かったです。
底知れぬ彼女の魅力をほんの少しでも垣間みれた気がする、と思いきや、やっぱり彼女の掌の上で転がされている気になる、そんな一冊でした(笑)