春樹のゼロ年代に生まれた作品を中心に、演劇や映画分野なども入っており、様々な文芸評論が展開されている。全体的にみると前のユリイカのテーマが「春樹作品の性質」であるのに対して、これから春樹はどこに行くべきか、21世紀に向けてどういう物語を作るべきかが主なテーマとなっているようである。
ちなみに峰なゆかの評論も入っている。流石ユリイカ、器が大きいなと思った。
あと厳しめな評論もいくつか見られるが、
春樹作品の浄化性の低下に評論家が焦燥感を感じてるからだ、
とそう思った。内心もっと完璧な物語が欲しい!その裏返しではないかと。
確かに今回のユリイカは前回のより読みにくいような感じがしないでもないけど、それは今回のテーマが広大で曖昧になったからだと思う。個人的には坂上秋成の「浄化の物語」について書かれたものとと栗原裕一郎の春樹論を振り返ったやつが明快で面白かった。もちろん他の評論家のも結構読み応えあります。(まだ半分しか読んでないけど)
このユリイカを読んで、長々と旅をした日を振り返った日をさらにまた振り返るような感じ、そんな不思議な気分を味わった。
村上春樹さん、そして春樹論をこれからも書いていこうとする評論家さんこれからもがんばって下さい。