一番感動したのは、『うしおととら』では、うしおが基本的に左を向いているという指摘だ。
詳細は是非、本書を手にとって読んでもらいたいが、日本の漫画のほとんどは、右から左へと読んでいくので、左は未来や将来を暗示する方向であるらしい。最終話でうしおが右を向いて振り返るのは蔵であるが、過去でもある。そしてまた左を向いたとき、その顔は輝いている。
そういう解説を読んで、作品の奥深さに気づき、涙が零れそうになるほど感動した。
ところで、表紙を開いたところに藤田氏の肖像があるが、画面手前、開けられた缶コーヒーとともに、開けられていない「ひやしあめ」がある。これは『うしとら』の折り返しに書かれていた「ひやしあめ」なんだろうな。心憎い。