音楽家である坂本龍一を 活字で「聴く」本とも言うべきか。
本書を読む限り 坂本とはきわめてフットワークの軽い芸術家であることを強く感じる。音楽に限らず、学生運動、政治、哲学、IT、メディア論、環境問題など、その時々の「旬な話題」には必ず首を突っ込んでいる気がする。
ミーハーと言ってしまうことも出来るかもしれない。但し 坂本の場合 その「首の突っ込む時期」が 周りより半歩から一歩早いところに 彼のエッジ性が見てとれる。ミーハーを「流行に 後から ついていく人」と仮に定義したとすると 坂本の「早さ」はミーハーとは言わないとも思う。それは紛れもなく才能である。
そんな坂本だけに 本書で坂本が語る事、坂本について語られる事の ジャンルは多彩であり振幅も激しい。その 「多彩な振幅」は ある意味で 音楽的である。本書で坂本を「聴ける」としたら そんな振幅に音楽を感じる事だと思う。