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ユリイカ (角川文庫)
 
 

ユリイカ (角川文庫) [文庫]

青山 真治
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

世界が絶賛した新世紀の旗手が放つ、衝撃の三島賞受賞作はやくも文庫化!

バスジャックに遭遇した運転手の沢井は、ともに生き残った乗客の兄妹と心の再生の旅に出るが……。カンヌで世界の絶賛を浴びた映画作品が、小説として新たな世界を創り上げた!第14回三島由紀夫賞受賞の感動作品!

内容(「BOOK」データベースより)

バスジャック事件で人質となった運転手の沢井は、乗客の兄妹直樹・梢と共に助かるが、心に深い傷を負う。彼は街から失踪し、兄妹も母の家出、父の自殺後心を閉ざし二人だけの世界に引きこもってしまう。二年後、街に戻ってきた沢井は、兄妹の家に同居し家族のように暮らし始めるが、同じ頃連続して殺人事件が起き、そして―沢井がとった行動とは…。カンヌで世界の絶賛を浴びた映画作家が描く『癒し』と『再生』の叙事詩。デビュー作にして第十四回三島由紀夫賞受賞。早くも文庫化。

登録情報

  • 文庫: 292ページ
  • 出版社: 角川書店 (2002/06)
  • ISBN-10: 4043656017
  • ISBN-13: 978-4043656011
  • 発売日: 2002/06
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 251,497位 (本のベストセラーを見る)
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By Null
形式:文庫
 少し前に「新しい」とされていたような、ちょっと前のものは、かえってもの凄く古く感じることがある。

 カンヌ映画祭で受賞した映画のノベライズ、しかも三島由紀夫賞の受賞ということで、当時は話題になったような記憶がある。同時に受賞した中原昌也、同時期に芥川賞を受賞した映画学校出身の阿部和重とともに、一時代築いた、まで行かないにしても、文芸界隈・人文系・サブカル、と色々な呼称があるが、そういった場所で青山は話題を作り出すような存在だった、と思う。

 田舎の情景や、人間関係の描写については面白い。今でも、そんなに変わらない部分はあるだろう。携帯電話の登場という大変化はあるにしろ。
 問題は、「中学生による殺人」という「心の闇」を扱っているあたりか。よっぽど90年代末のあの事件は、フィクションを作る人間にとって刺激だったのだろう、と感慨深い。

 はっきり言うと、作り物じみてる。2000年ごろだと世界で「大絶賛を浴びた」はずで、多くの人々がリアリティを感じたフィクションが、10年経ってイマイチになるというのは、まあ作品が時間の経過に耐えられなかったということだろう。結局、殺人などサスペンス部分はストーリーを作るための構図でしかなくて、小中学生の子供らが義務教育を免れる部分だとか、中学生の男の子がなぜか連続殺人犯と同じ殺害方法を取れたり、ひどいご都合主義もある。まあ、2000年ごろだと、そういう嘘も信じられたのだろう。
 細部に神が宿る、というが、細かい嘘の積み重ねで大きな嘘(=フィクション)を作るというのが、物語作家の腕であるだろう。細かい嘘を信じられない読者からすれば、物語全てが嘘臭く感じてしまう。というか、感じた。

 と、色々と不満点はあるが、よくできたフィクションだとは思う。「沢井」という主人公にいくらか魅力があるからだろう。
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形式:文庫
映画監督である青山真治が、自らの映画を小説化した作品。

トラウマを抱えた中年男性と、同じように心に傷を持つある兄妹との静かな交流を、
緊張感たっぷりに描ききった長編。どこに辿り着くのかわからない物語は、ミステリーとしても一級。
ドキドキしながら、ラストまで読めるのがいい。

映画を観たら感想が変わるのかもしれませんが、小説単体としてはとてもいい出来でした。
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形式:文庫
話題になった映画を著者自ら小説化。

映画はセピア色を効果的に使い、思わず画面に引きつけられる魅力にあふれていたが、説明描写を極力そぎ落としているため、次々に起こる出来事の有機的なつながりが掴みにくかったように思えた。

小説では、登場人物の心理描写や、事件の詳細などが詳しく書かれているので、こちらを読んでから映画を見ると、いろいろなことが腑に落ちるのではないかと思う。また、映画にはないシーンがいくつか加えられている。
このようなディテールの描写や付加されたシーンに個人的には映画よりも感動を覚えた。
もうひとつ、注目すべきは文体である。著者自ら告白しているが、中上健次の文体を模倣している。特筆すべきはその模倣力ではなく模倣してもなおオリジナリティを感じさせる力量である。それこそが才能というものであろう。
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