ユニクロに関する書物があふれ返っています。でも、実は、それらはまさに玉石混交状態です。取材は一切なしで、あちこちの経済誌の記事をノリとハサミで切って張ったものがほとんどなのです。ほら、「○○出版」とか「○○書房」とかよく出してるじゃないですか。
そんな中で、本書は1998年11月の東京・原宿店の開店以来、11年にわたってユニクロと柳井正社長を追い続けてきた第一線のジャーナリストが書いたほとんど唯一の単行本と言っていいでしょう。
現場で取材し続けてきたからこそ書ける事実や、柳井社長の発言の数々。現在、またはかつて同社で活躍していた幹部たちの息吹も伝わってきます。
一度もユニクロを取材したことがないまとめ上手なライターさんや偉いセンセイ方の本をあちこち読んでユニクロを分かった気分になるくらいなら、これ1冊読むだけで十分だと思います。
本書は、1)ユニクロの最近の戦略、2)業界の競合他社の動向、3)素材調達段階からのSPA(製造小売業)ならではの物作りとマーチャンダイジング戦略、4)マーケティング戦略、5)そして人づくり――について、5章にわたって論じています。
あえて言うなら、デザインやネーミング、装丁はちょっと工夫が必要ですね。これは出版社側の問題ですが。