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ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)
 
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ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫) [文庫]

マイケル シェイボン , Michael Chabon , 黒原 敏行
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 660 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

マフィアが巣食い、宗教指導者が影響力を揮うシトカの街を、深い傷を負った刑事の魂が彷徨う。殺された若者はチェスの天才だった。神童。奇跡の子。ユダヤ人の間で囁かれる救世主伝説。警察ばかりか、幾多の勢力が事件を葬り去ろうとするなか、相棒ベルコと暴走気味に捜査を続けるランツマンはある事実に気づくが―。故郷喪失者の挽歌が響くハードボイルド・ミステリ大作、佳境へ。2008年度のヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞というSFの主要三賞を制覇。エドガー賞長篇賞、ハメット賞最終候補。

登録情報

  • 文庫: 332ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/4/25)
  • ISBN-10: 4102036121
  • ISBN-13: 978-4102036129
  • 発売日: 2009/4/25
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
境界線と地図の物語。
世界の地図。シトカ区の地図。地下の地図。シトカと先住民族とのあやふやな境界線。ユダヤ教の半ば秘術的な境界線。夫婦、親子、人と人との境界線。そして、故国の地図も境界線も持ったことがないユダヤ民族。
また、ジャンル的にも、その境界線をひらりと跨いでいる。
ランツマンを始め、拠り所を持たないユダヤ民族。確固たる拠り所を得るのが彼らの悲願だけど、陰謀によってそれを得ようとする時、今までの境界線は暴力的に変わることになる。さらに、それによって、物語と現実との境界線も破れ、両者の歴史は合流するかもしれない。そこで、ランツマンが最後に見つけた、自分たちの拠り所とは?
全く知らないユダヤ人の生活と、さりげなく語られるSF的背景によって、世界はひじょうに奥行きをもって描かれている。背景に映り混む程度にしか語られないけど、改変歴史ものとしても、けっこう凄いことになっていそう。ただ、あくまでメインは疲れた中年刑事ランツマンの奮闘。
元妻で、今のボスであるビーナのツンデレっぷり(笑)も読みどころ。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 樽井 トップ500レビュアー
形式:文庫
 各方面でも、2008年度のヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞というSFの主要三賞を制覇。エドガー賞長篇賞、ハメット賞最終候補。ということでしたが、、、上巻の前半の冗舌さと後半のミステリ部分の収束具合からすると、、、個人的にはそこまで大絶賛というほどでもありませんでした。
 世間的にはかなり受けが良かった様ですが、そもそもどうしてこれがSFジャンルでの評価がそんなにあるのかが疑問というか首をひねらざるを得ませんでした。確かにパラレルワールド的な話ではあるのだろうし、超能力者も登場はするのですが、、、普通にミステリなのではないか、それもコード通りのハードボイルド路線なのでは(のわりにはラストはとってもアメリカ・ハリウッド映画的なんですが)と思わざるを得ませんでした。
 そういう意味ではミステリとしては悪くはありません。中年男の哀愁も漂っているし、親友と二人で危険な捜査につっこんでいく主人公はまぁあまりにも向こう見ずで無謀だけれど、信念をもって事にあたるし嫌いではありません。
 ただ、そこまでの大絶賛とはいきませんでした。
 ただ、この作品のミステリとしての評価が大絶賛にならないことについては、自分がユダヤ人のメンタリティに対しての理解が浅いから共感がしづらいからというのがあるからかも知れません。この物語は、故郷もなく(この作品世界においてはイスラエルは建国されていない)アラスカの奥地に一部自治区を許されてるだけのユダヤ人コミュニティが舞台なんですが、その背景にシオニスとの強烈な故郷の地への渇仰や宗教的熱狂などがあるので、ここに入り込めなかったのがちょっと乗り切れなかった原因かも知れません。 
 自分の国がない、何千年も放浪と迫害を受け続ける状態というのが日本人である自分には、観念の中でしか、それでもあくまで漠然とした概念でしかイメージしきれないのです。このあたりは自分の想像力の限界を示しているのですが、そこまでのひりひりするような圧倒的な望郷の念というのが、自分が故郷を出る、なくすという個人的なことだったり数百年タームならイメージが湧くのですが、ここまで長いとなかなか手にとれるようなリアリティがなかったです。現実のイスラエル・パレスチナの問題などを見ればわかるように、聖書の時代からユダヤ人たちは「ペリシテ人(バレスチナ人)」と戦ってるわけですが、、ここまでいくと二千年以上の土地を巡る争いが個人個人のDNAに刻み込まれた社会や個人というのが、実感として小説の中では感じにくかったです。現実のイスラエルとバレスチナとの戦いは、目の前で人が死に家族が殺され、先祖が戦いとイメージが湧くのですが、隔離された目の前に敵がいないコミュニティでもなお、ここまで約束の地がテーマとしてあるのが評価の分かれ目になりました。
 ただ、映画にしたらなかなか面白そうではあります。 
 というより、途中のアクションシーンや最後のあたりは映画をかなり意識しているかもと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
とにかくハマった。こんなに面白いミステリは久しぶりに読んだ。

設定は建国したイスラエルを終われ、アラスカの特別区にユダヤ人たちが住んでいるという歴史改変モノなんだけど、内容はまさにハードボイルドミステリ。しかも、レイモンド・チャンドラーから連なるアメリカのハードボイルド・ミステリの王道を行っている(どうしてハードボイルドミステリでは郊外の療養所がお約束のように出てくるんだろう?)。

ユダヤ人たちの宗教や歴史、それに物語の鍵になるチェスについてはあまり知識がないので、完全に理解することはできなかったんだけど、そういった道具仕立ても、このも小説の魅力を増している。

ユダヤもののミステリと言えばフェイ・ケラーマンを思い出すけど、むしろこっちの方がユダヤ教信者に対する見方は刺激的だ。

歴史改変ものという点で言えば、この前読んだ矢作俊彦の『あ・じゃぱん!』を思い出す。設定も似てる。

この作家は初めて読んだけど、自分好みの作家かもしれない。新作も翻訳されたことだし、続けて読んでみよう。
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