「ユダヤ教の本」はこのシリーズ中でも、とくに若い世代向きの入門書として作られている感が顕著な本です。いわゆるキリスト教徒の云う「旧約聖書」の簡単な解説からはじまって、ユダヤ教の聖典・聖地などの基礎知識を一通り紹介し、カバラー神秘主義やユダヤ幻想の歴史にまで言及しているので、ユダヤ教の初歩はひとまず一覧できるといってよいでしょう。とはいえ、「イヴ」とか「スーデピグラファ(偽典)」などといった英語訛りのルビが振られているため、かえって小学生などは誤読ないし誤解してしまう可能性が大きいとも考えられます。また、ユダヤ教とキリスト教やイスラーム教との比較は記載されているのに、サマリア教などユダヤ教内の諸分派に関する言及が乏しいので、やはり今少し親切な本作りを心懸けて欲しかったものと残念でなりません。