今もって曖昧模糊としているのは、ユダヤ人の定義である。
ユダヤ人とはいったい何なのか。ユダヤ教を信ずる者は
肌の色が黒くても、黄色くても、ロシア語しか話せなくても、
イスラエルに一度も言ったことがなくても、
血統的にはアラブ人であったとしても、みなユダヤ人として認められ、
イスラエルで市民生活を営むことが認められるのか、
それが知りたくて本書を読んだ。
本書に寄ればユダヤ人の定義はこうである。
「ユダヤ人の母親から生まれた人、あるいはユダヤ教に改宗した人で、
ほかの宗教に帰依していない者」
これは1970年の(イスラエル)帰還法改定にもとづく定義だそうである。
つまり
「ユダヤ人男性と非ユダヤ人女性の間に生まれた子供は
改宗しなければユダヤ人とは認められないのである」
ところが父親がユダヤ人であればユダヤ人だという人もいるそうである。
この定義についてはいまだに論争の火種となることも多くあり、
それが火を噴くらしい。
つまり、はっきりしていないのである。
曖昧模糊としているという僕の感想は当たっていたのである。
本書ではほかにも
・日ユ同祖論はなぜ生まれたか
・キブツとは何か
・ユダヤ人はなぜ金融業に進出したか
・ユダヤ系アメリカ人の職業分布は
など、目からうろこの論考多数。