本書は、ユダヤ人大富豪と若き日の著者との間の交流を通して、
「金持ち」になるための心がけについて説くというものです。
なお、私は年配の知人から贈られて熱心に勧められ、
読まざるをえないという状況で読んだことを念頭に、
参考にしていただければ幸いです。
まず、本書の示す17の秘訣とやらは、
決して有害無益というわけではありません。
誰が読んでもそれなりにうなずける、八方美人的な内容です。
ただし、本書に置いて重要な位置づけを持つ、
ユダヤ人大富豪ゲラー氏の素性が全く明らかでないということが終始違和感を醸し出します。
フィクションと断っていただければいいのですが、
あくまで著者は実話に若干?手を加えたものとおっしゃる以上、
厳密に読まざるをえません。
すると、ユダヤ人らしい逸話にも乏しいゲラー氏は、
様々な「金持ち」の人格を混ぜ合わせた、
著者の考えにハクをつけるための飾り物に思えてなりませんでした。
さらに、終盤になると、
「僕」を持ち上げるゲラー氏の言動が奇妙に思えてなりませんでした。
いわく、君は金持ちになって夢を実現し、ベストセラーを書くだろうと。
真偽の検証をしようがないのが歯がゆいですが、
あたかも読者をして著者たる「僕」に対する共感を覚えさせようとするような、
あとがきとも併せて、新興宗教のようなノリに辟易して読み終えたというのが実感です。
以上はあくまでも私の個人的な読後感であり、
本書を賞賛する方々を貶める意図は全くないことを付言しておきます。