成年になってからユダヤ教に改宗したという元日本人の日本人論です(国籍はまだ日本みたいですが)。
内容はといえば、「いかに我々ユダヤ人が優秀であるか、そしていかにあなた方日本人がダメであるか」です。
著者は、特に日本人の国際感覚のなさを様々なエピソードを挙げてあげつらっていきます。
その内容は歯を矯正しないとか、ウェイトレスに無愛想だとか、中々バラエティに富んでいる。
まあ、確かに、著者が指摘するように、道につばをはくのはみっともないと思いますよ。
でも、取り上げられている他の論点の中には首をかしげるものも多い。
一例だけ挙げると、日本人は中国の人名を中国本国の読み方で読まずに日本人独特の読み方で読む。
たとえば、毛沢東を日本人は「もうたくとう」と発音するが、アメリカ人は中国語の発音に近い「Mao Zedong」と発音する(あくまで「近い」だけですが)。
著者は、アメリカ人と中国人が「毛沢東」といえば通じ合うのに、日本人だけが通用しないじゃないか!と憤慨します。
でもこれ、中国人の方も同じですよね、日本の人名を中国式に発音している(小泉純一郎=xiao quan chun yi lang)
まあ、著者にいわせれば、中国人も日本人同様国際感覚に欠けるだけなのかもしれませんが、ただ、いずれにせよ、かなり限られた範囲での慣習なわけで、これから「日本人は国際感覚がない」と一般的に断定・非難するのはいかがなものでしょうか。
海外生活が長かったり、外国人と結婚したりした日本人の書いた日本人論って、周期的にベストセラーになっていますね。
それだけ、日本人が日本人論を好むということでしょうが、本書が他の類書と違って、楽しく読むことができないのは、人間的なあたたかい視線とユーモアとが決定的に欠けているからでしょう。