原題「Warrant for Genocide」を『ユダヤ人世界征服陰謀の神話』(以下『神話』)というタイトルでこの出版社が86年に出した本が、ちょっとだけ装いを変えて再刊。
著者ノーマン・コーンが高名で立派な学者であること、元の本が圧倒的に面白い古典的名著であることは86年刊本の方のレビューで書いたので略す。20年以上前の『神話』を絶版にして2007年に新たに出したこの本がどう変わっているかに絞ると、結論として、中身は何一つ変わっていない。相変わらず抄訳。相変わらず電波本を高らかにアピールするような下劣な装丁(邦題や表紙絵、帯の惹句など)。訳者あとがきなどがあらたに付け加えられたわけでもない。付録から章立てからなにから本当に全て『神話』と同じである。
『神話』をすでに持っている人なら買い直す必要は全くない。そして、この名著を再び救われない形で売る出版社への幻滅に『神話』よりさらに星を減らして星三つ。