ユダヤ教に改宗したハザール(カザール)国の末裔がアシュケナジー(東欧系)だとする大胆な仮説を提示した問題作。
ユダヤ問題に関心のある人ならまず小馬鹿にした対応で「トンデモ本だよ(失笑)」という対応をするであろう。
ただ問題はそこからだ。
ポーランドやロシアのユダヤ人がなぜあれほど人口が増えたのが歴史学者が全く説明できていないということである。
学校の歴史で教えているような迫害を逃れて西欧から東欧へ逃れたというのはほとんど例がなく、とても人口計算が合わない。
そして何より、ユダヤ教を国教としビザンチンと同盟を結んだような国家であったハザール国を、ユダヤ人の歴史からなぜか蓋をしている点だ。
そういう国があったことをもっとユダヤ人はアピールする必要がある
強国であったハザールには中東からオリジナルのユダヤ人が一定の割合で移民していたであろう。布教や商売の観点から見ても移民は当然である。
ハザール=アシュケナジーとしても、やはり血はつながっているのである。
イスラエル寄りの人間が叩いているが、本来はもっと宣伝するべきユダヤの歴史の一系譜である。
また信用のおける複数の本、たとえば白水社から出ている「ヨーロッパの民族学」においてもアシュケナジーの一部はハザールからきたことを認めている。
訳知り顔でニヤニヤしながらトンデモ本だぜ科学的な証拠なんかないんだぜ(苦笑)という知的スノッブの方には是非目を通して頂きたい本である。
色眼鏡をかけずしっかりと読んで頂きたい。