タルムードは道徳書でも、生活の知恵文学でもない。
実際のタルムードに僅かでも触れたことのある人であれば、この本に書かれているような、浅知恵に毛が生えたような生易しい知識体系ではないことが分かるはずである。
この本はありていに言えば、タルムードの表面で日本人が面食らわないような僅かな内容の部分を上っ面だけ剥がして提示したようなものである。
この本に書かれている知恵の背景になっている膨大な資料と考察を見たら、逆に日本人は混乱すること必至だろうが、この本ではそのことに全く触れない。
まあ、それでもハウツー本として使う分には問題ないのかも知れないが、これをユダヤ人五千年の知恵などと言われては、まともなラビは呆れて物も言えないだろう。
それも含めてユダヤの知恵だというのなら、この著者はある意味、日本人を相当馬鹿にしているとも言える。