原始キリスト教の大発見であるユダの福音書に関する出版物として「原典ユダの福音書」「ユダの福音書を追え」があるが、それらを読んでみてわかりにくかった部分が、このDVDを見て納得いった。
映像の説明力というのは非常に優秀だということを再認識。
キリスト教はユダヤ教から分離した一派である。
ユダヤ教の教えにある救世主がキリストであるとする信仰であるが、キリストが亡くなって暫くの間はキリストの教えを伝えるのはもっぱら使徒の役割であった。
やがて使徒の教えは文書にまとめられ伝えられてゆく。
当初その教えをまとめた福音書は30近くあったらしいが、現在の「聖書」はそのうちの4つの福音書を採用している。
問題のユダは聖書の中で裏切り者とされ2000年近く極悪人のレッテルを貼られている人物。
まさか、そのユダの福音書があろうなどとゆめゆめ思われなかったであろうし、見つかったユダの福音書の中でユダは最も優秀なイエスの弟子として登場するのは驚き以外何物でもない。
まかり間違えばキリスト教の伝統的な価値観にも影響を及ぼす可能性がある。
ユダの裏切りは実はイエスの命令であったというのだ。
2000年ぶりにユダが汚名を晴らす機会が訪れたということなのか、それともこの文書は異端なのかということがこの福音書の解読にかかっているといえる。
現在の「聖書」を作るときにユダの福音書は弾劾され、事実今日まで眼に触れることはなかった。
では何故眼に触れてはならないのか。聖書の研究家は時代が新しくなるほどユダを凶悪犯にしたてていると語っている。ユダを敵視してゆく必要があったのだろう。
ユダ=ユダヤという結びつけがされ、キリスト教徒はユダヤ教徒と決別しなければならない事情があったのだろうと推測してゆく。
このDVDは、ユダの福音書発見と解読のドキュメントに専門家・解読にあたった人達の解説が付されている。
キリスト教とその教義の理解の仕方について様々な考察がされ、ユダの福音書発見の重さを感じさせられるだろう。
さらに研究が進めば、新たなキリスト教の世界が切り開かれてゆく可能性も感じさせる。
ユダの福音書に関する本をお読みになられた方はもちろんだが、ダ・ヴィンチ・コードなどでキリスト教に関心をお持ちの方にもにもお勧めである。此方はノンフィクションではあるが。