1982年にフジ出版社から出た単行本『探検家アムンゼンのユア号航海記』の改題・文庫化。
Roald Amundsenの『The North West Passage : being the record of a voyage of exploration of the ship Gjoa 1903-1907 by Roald Amundsen』(1908年)の翻訳。
アラスカの北側をまわる北西航路は、欧米の探検家にとって長年の課題であった。それを初めて通過することに成功したのがアムンゼンなのである。1903年から始めて、07年にまでかかるという、つらい旅であった。途中でメンバーにも死者が出ている。
本書は、その行程を淡々と語ったもの。いつどこで何をしたかを中心に、長い旅の全容が記録されている。ユーモアを交えつつ、明るい調子で書かれているが、ふと描かれる寒さ、危険、事故は怖ろしいものだ。
20世紀になってもまだこんな探検をやっていたのかと驚いた。
エスキモーの生活も取り上げられているし、犬ぞり、アザラシや魚を捕ったりといった話も面白い。
解説は冒険家の高野孝子さん。