まず、ヤルタについて書かれた本(第二次大戦ヒトラーの戦いなど)や最低でも
NHKの映像の世紀でのヤルタの回を見ていれば、あまり新しい記述は見当たら
ない。それもそのはずで、ヤルタには公式に議事録が存在しておらず、
この本はこれまでの資料や参加者を体系的に整理しているので、そういう点
では読みやすいし、知識も整理される。
ただし、それは第二次大戦の東部戦線も含めた欧州戦線の知識がある程度
必要で、参加者の整理はされていると言っても、時々それを超えた戦況の
知識を要求していることがある。それを踏まえて読めば、結局ヤルタ会談は
参加三国や世界にとってどうだったのか、というのを再認識するには丁度
良いと思われる。
逆にヤルタ会談や特にソ連のこの会議に置ける前提と結果を知っていれば、
敢えて必要はないかも知れない。個人的に少し驚いたのは、この本の著者は
フランス人でヤルタでは微妙な立場であるが、フランス寄りな記述は一切
なく、中立国の人間が書いた本のように読むことが出来た。