「ヤメ検」とは、検事を辞めて弁護士となった人のこと。
本書は、実際の事件の真相を追いながら、「ヤメ検」と裏の社会との関係、「ヤメ検」と現役検事・検察との微妙な関係について記述した本です。
8つの章がありますが、もともとは「月刊現代」に連載されていたシリーズであり、1章、1章が独立した別の事件となっています。
なお、「ヤメ検」にもいろいろあると思いますが、本書で取り上げられているのは、すべてトップクラスの幹部などエリート層の人たちが弁護士となっているケースです。
私は、この本を読んで、「正義を守るため悪と対峙していたはずのエリート検事が、なぜ退官後には一転して裏社会の守護者となるのか。検事時代の『正義』はまやかしか。」と感じました。そして、検事がけっこう簡単に騙されたり、安直に悪の道に引き込まれるのを知り、「こんな人たちで本当に事件捜査ができ、正確な判断ができているのか?」とも思いました。
また、本書は、関西の社会・経済の裏事情を垣間見れる本でもあり、なかなか興味深い本ではあります。
ただ、たくさんの人物名が出てきて、話があちこちに飛ぶ話もあり、文章もあまり上手ではありません。やや読みにくい本という感じがし、私の場合は少し読むのに疲れました。
また、さんざん思わせぶりな記述が続いた割には「言いたかったのはこれだけ?」という章もありました。
本書は、興味が持てる人とそうでない人があると思いますので、少し内容をみてから購入する方がいいかも知れません。