この本を語る際、この価格は重要なポイントと思います。
「バイクファイル」シリーズは質、量共に充実した一車種限定の解説本で、落ち着いた重厚感のある装偵、堅実で丁寧な作り等、非常にオーナー心をくすぐる一冊です。
ただ私が思ったのは、どんなユーザーを想定してこの本を作ったのか?
物語調のインプレッション。製作者やレース畑の人々のインタビューを載せるなど、それは確かに「R1 file.」として必要だと思う。
でもそれらは毎月500円何某で買える雑誌の特集と同じ轍であり、これが例えばマニアが本棚に揃えて並べるもの、憧れのバイクの情報を少しでも知りたいという人々に1000円程度で提供するものであれば何ら意見はないのだけれども、この値段では結果的に「既にその車種に乗っている」オーナー以外は手を出さないと思う。
そういう、「オーナーに的を絞った」値段設定でこの本を考えた場合、ターゲットユーザーが必要としているのは「どこかの雑誌で読んだような」バイクのヒストリーや作り手の拘りではなく、自分の愛車がどのような長所と短所を持ち、年々どのように進化、対策が練られているのか、どのような事を心掛けながら操縦すると良いか、という「具体的な所」なのではないか?
現在どのようなアフターパーツが揃い、
それらはどのようなスタイリングを備え、どのような性能を有しているのか?
その比較検討、連絡先telなりHPアドレスが知りたいのではないのか?
勿論この本にも「多少は」載っているけれども、この程度の情報量では、はっきりいって価格並の価値はとても見出せない。
「この本を買えばR1の市販パーツが網羅できる!」と勇んで買った私としてはなんとも寂しい肩透かしを喰らった気分です。
蛇足ですが個人的に、故・永井康友選手の遺影に対する無神経さ(P100)もちょっとどうかと。