「ポータルサイト」というと昔はネット閲覧の必需品のように感じていて、ヤフーとかソネットとか幾つかの中から選ぶイメージだったが、今では存在感が薄まった感がある。その中でヤフージャパンは依然として、日本のトップサイトであり続ける。思えばウェブメールや検索エンジンではグーグルに抜かれ、ショッピングでは楽天の後塵を拝し、動画でもおそらくユーチューブには適わない。ブログやSNS系でも何とも中途半端だ(もちろんオークションでは日本一)。しかしヤフーにはニュースもヤフーファイナンスもTV番組表もある。お天気もわかればプロ野球の実況中継だってやってくれる。まるで愛され続ける幕の内弁当のように、必要な情報が一通り揃った安心感でトップを走り続けている。読み終わってその不思議さを思った。
本書はそんなヤフーが造られてきた歴史を、主に社員の熱気に焦点を当てて語っていく。厳しくも前向きな社員たち。そしてカスタマー目線からブレない経営者。徹夜も厭わずに造り上げてきた我がベンチャー、そんな強い想いがヤフーの強さの源泉であると気づく。
四年前の本なので、今では少し様子が変わっているかもしれない。従業員は3,700人を超え(本書では1,940人)、広告事業収入は1,400億円(本書では682億円)に達している。「大企業化」は進行しているのだろうけど、嫌われない哲学と愚直にカスタマーを見続けるスタンスは今でも変わっていないのではないだろうか。