1990年代、米国では若者による凶悪犯罪が激増するとの予測が広がった。だが、実際には米国内のどこでも、あらゆる種類の犯罪が減った。好景気、銃規制、取り締まり強化などの理由が指摘されたが、著者は73年の「ロー対ウェイド裁判」によって、中絶が合法化されたことこそ真の理由と主張する。家庭環境の悪い子供はそうでない子供に比べて罪を犯す可能性がずっと高い。裁判の結果を受け、貧しい未成年の女性が中絶に走ったことで、犯罪予備軍が劇的に縮小したと解説する。
不動産屋の営業担当者が自分の家を売った時とお客の家を売った時を比べると、自分の家の場合は最高の買い手が現れるまで待つ結果、平均して10日長く市場に出し、3%強高く売っている。一方、お客の家の場合は、そこそこの買い手が現れればすぐ売り払うよう追い立てる。営業担当者が欲しいのは取引で、早く決めたいからだ。
ほかにも、「銃とプールと危ないのはどちらか」「麻薬の売人はなぜいつまでも母親と住んでいるのか」など興味深い問題を提起。豊富なデータを基に分析し、経済学の基礎となるインセンティブの概念を明らかにする。
(日経ビジネス 2006/06/19 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
不動産広告の「環境良好」の隠された意味って?
90年代のアメリカで犯罪が激減したのはなぜ?
勉強ができる子の親ってどんな人?
銃とプール、危ないのはどっち?
力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでるのはなぜ?
出会い系サイトの自己紹介はウソ?
ジョン・ベイツ・クラーク・メダルを受賞した若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。
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52 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
超オススメの1冊!,
By yyasuda (東京都港区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する (単行本)
アメリカでバカ売れ(100万部突破)した今一番熱い経済学の啓蒙書です。私も原著(『Freakonomics』)を持っておりますが、相撲の八百長や妊娠中絶と犯罪の関係など、著者自身のユニークな業績を一般の人に分かり易く紹介しながら経済学の面白さを伝えていきます。ベストセラーというと、日本ではたいがいもっともらしいことを言う自称エコノミストさん達の著作をイメージしてしまいますが、この本の著者レヴィット教授は、経済学の若手におけるノーベル賞と言われる「ジョン・ベーツ・クラーク・メダル」に輝いている、新進気鋭の一流経済学者です!そんな超一流の研究者が、NYタイムズの記者とコンビを組んで、一般の人にウケる経済の本を書いたのが本書。 『インビジブル・ハート』や『ランチタイムの経済学』、あるいは一連のクルーグマンの著作など、オススメの経済学入門本はいくつもありますが、本書ほど経済学の面白さを伝えている本は他にはないと思います。この本を通じて、より多くの方に経済学の楽しさを知っていただければ、と願っています。(読み終わったら、是非まわりの方にも勧めて下さい!)
18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
知的な“万華鏡”を覗いた気分,
By きょうパパ (西東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する (単行本)
題名が“ヤバ”そうだったので、食わず嫌いでした。“2006年のビジネス書”として上位にランクされていたので、 手にとってみましたが、結果は正解でした。 これまでの“常識”が、数値データをうまく読みこなすことで、 随分と変わってしまうことを、軽妙な語り口から教えてくれます。 「完璧な子育てとは?」の章は、子供を持つ親として、 “そんなことないよ!”と言いたくもあり、“なるほど”でもあり、 苦笑してしまいました。 これでもかと“難しい”自説をぶつけられるような、 “経済”関係書籍を読む根性の無い時には、絶対のお勧めです。 それにしても、この題名は…。 もっともこれも著者の遊び心のようなことが、訳者あとがきに記載がありました。 読み飛ばすページが少ない、色々なものが見える、“万華鏡”のような本です。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
社会科学のあるべき姿?,
By 山田晃嗣 (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する (単行本)
タイトルには「経済学」とあるが、「内容的には社会学の本ではないか」との批判も多いらしい。 私にとってこの本がどちらに属するのかまで興味は無いが、 「(経済学も含む)社会科学」の本として非常に興味深く読めた。 自然科学にしろ社会科学にしろ、 「科学」には「仮説」と「検証」が求められるはずだ。 自然科学の場合「検証」により明確な結論を出しやすいだろう。 社会科学では、ともすると誰もが納得行く検証が困難で 「仮説」だけで終わってしまうことが多いのではないか。 この本は、社会科学の分野でも 十分なデータとそれを分析するデータマイニングの手法を使えば、 十分に科学的な検証ができることを実証している。 つまり社会"科学"のあるべき姿を主張しているように思うのだ。 などと堅苦しいことを書いたが、とりあげられているテーマは 全く堅苦しくはない。誰もがほくそ笑みながら読めるものだ。 学校の先生の不正と相撲力士の八百長の共通点 KKKと不動産屋のハッタリの共通点 ヤクの売人とハイスクールのクォーターバックの共通点 中絶合法化と犯罪発生率の関係 などなど... ふざけているように思えるし、人を喰ったような書き方も多々ある。 しかし導き出された結論と考察は、いずれも深いものだった。 特に印象的だったのは、 インセンティブ次第では不正を行う傾向が人間にある一方で、 善良で道徳的な考えが残されていることを 「データ」がしっかりと示したことだ。 著者曰く 「他人に見られる心配がないとき、人は悪の誘惑に勝てるか? 少なくとも87%ではYesだ」
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