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ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書)
 
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ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書) [新書]

宮崎 学
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ヤクザとは何者なのか?法の支配がおよばない炭鉱・港湾などの最底辺社会に生きた者たちが、生きんがために集まり発展したのが近代ヤクザの始まりといえる。彼らの存在が日本社会の近代化を下支えしたという現実。日雇い派遣、ワーキングプアなど、あらたな下層社会が形成されつつある今こそ、ヤクザの歴史を振り返ることで、現代社会の亀裂を克服する手がかりがみつかるにちがいない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

宮崎 学
1945年京都生まれ。父は伏見のヤクザ寺村組親分。早稲田大学中退。在学中は日本共産党系の学生運動に参加、ゲバルト部隊の最先頭で、対立党派との衝突をくりひろげる。その後週刊誌記者などを経て、実家の建築解体業にもたずさわる。それらの経験を描いた『突破者』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 270ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/01)
  • ISBN-10: 448006396X
  • ISBN-13: 978-4480063960
  • 発売日: 2008/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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By もなか VINE™ メンバー
形式:新書
やくざという存在が日本の近代化といかに分かちがたく結びついていたか。
下層労働現場における「仕切り」役として、「芝居小屋」などの悪所の顔役として、末端庶民への社会権力として、そして時には理不尽な支配に対する反権力の暴力装置として、著者の主張するところでは「昭和20年代ころ」までその存在は一般社会と地続きであったとされる。
「親方・子方」関係や「義理と人情」の価値体系から語られる日本社会の深層に根ざした存在としてのやくざ論はスリリングだし、「自治としての談合」という切り口などは談合を否定する人々も是非知っておくべき歴史的経緯だろう。
ただ、高度成長を経て大きな変化を遂げた日本社会の中で、やくざという存在もまた変質を余儀なくされたはずであるが、その点について本書は多くを語らない。バブルを経て「偽装請負」などの言葉に象徴される不安定雇用がはびこる現在、社会経済の裏面ではいまだ彼らが蠢いているはずなのだが、やはりやくざを語るには時間と距離が必要なのだろうか。
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:新書
 今から35年ほど前、ある暴力団が私の実家のそばに事務所を構えた日のことが忘れられません。10人ほどの組員が事務所の前にずらりと並び、道行く人々に「転居の挨拶」をしているのです。その場所は小学校低学年だった私の学校からの家路にあたっていたのですが、その場の異様な雰囲気に圧されて、わざわざ迂回して帰宅したことをよく憶えています。

 その後、その組員たちの姿を見かけることはたびたびありましたが、いたって温和な笑顔をたたえて、住人として町に溶け込んでしまっていることに奇異な思いを抱いたものです。私が聞かされた暴力団というものは、地域社会に容れざるものであるはずだったのに。

 本書「ヤクザと日本」は、江戸期にまで言及しながら、近代のヤクザ史をみつめた労作ともいえる一冊で、この本を読みながら、昭和40年代に私が身近に見たヤクザの社会的位置づけがなんとなく分かったような気がしました。

 本書によれば、日本の資本主義経済活動にとってヤクザは、周縁部に位置する労働力を非周縁部へと仲介する存在としてなくてはならないものであったということです。彼らの存在がなければ、非定期の労働力の供給も覚束なかっただろうし、日本の急速な近代化もこれほど進むことはなかったかもしれないという気がしてきます。

 また芸能の世界とヤクザの関係も、そもそも芸能というものが周縁部出身者によって行なわれたものである歴史的経緯にまでさかのぼり、これまた非周縁部への仲介業者としてのヤクザの大きな役割について詳述して見せています。
 これを読むと、まさに仲介業者=ヤクザの<社会的貢献>の度合いが非常に大きなものであったのだなぁという印象を強く持つほどです。

 日本の近現代史をヤクザの活動を通してみるという本書の試みは、大変興味深いものであり、読んで損はない一冊だといえます。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
ヤクザの起源と役割について、中世からの変化を中心によくまとまっている。
要約すれば、以前は制外の集団を束ねる非公式パワーとして機能したものが、
近代以降、各種集団の解体と国家権力への体制化に伴い、自治機能を廃した
利権集団となっていく様子が描かれる。
驚いたのは戦後、高度成長期あたりまでは、前者の形態が依然として残り、
公権力や資本とも協力関係にあったという点。
親分さんが一日警察署長なんてやってたのだ。

筆者は任侠と暴力団はまったく異質なものだと結論付けるものの、同時に彼らが
本質的に持っていた“特定集団における自治機能”にも一抹の期待は残す。
まあ神戸芸能社など若干美化しすぎなきらいもあるが、中身の充実した一冊だ。

余談だが、極道モノには縁の無かった自分だが、最終章の山口組史はとても読み物
として面白かった。
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