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モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)
 
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モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫) [文庫]

モーム , 行方 昭夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

長篇小説『人間の絆』『月と六ペンス』の作家サマセット・モーム(一八七四‐一九六五)は、絶妙な語り口と鋭い人間描写で読者を魅了する優れた短篇小説も数多く残している。希代のストーリーテラー・モームの魅力を存分に楽しめる作品を厳選して収録。

登録情報

  • 文庫: 346ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/9/17)
  • ISBN-10: 4003725026
  • ISBN-13: 978-4003725023
  • 発売日: 2008/9/17
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By エパメイノンダス トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
最近の岩波文庫は、昔々に出版したものを重版するのではなく、外国小説は新訳で、日本の小説は版を変えたりして出しなおしているけど、モームもその対象みたいでこの短篇選以外も出ていて、これらがまたかなり面白い。
この短篇選は、訳者が「誰にでも楽しめるもの」という基準で選んだ18篇が収録されていて、上巻には以下のものが収録されている。
【エドワード・バーナードの転落】『月と六ペンス』にも通じる短篇
【手紙】これも南洋が舞台。ミステリーでもいける作品
【環境の力】環境が違ったら、違った人生を歩んでいたののではないか、と思われる二人の話
【九月姫】モーム曰く「自分の愛する人の幸福を自分の幸福より優先させるのは、誰にとっても難しい」
【ジェーン】異色な人物への興味と社交界への批判
【十二人目の妻】結婚詐欺師のお話
いずれもモームの人間不可知論、「人間は相互に矛盾する要素をたっぷり持つ複雑な存在であり、首尾一貫した人などいないのだ」ということをよくあらわしている作品群である。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ピカール 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー
形式:文庫
ふとした偶然からサマーセット・モームに興味を持ち、人間の絆、月と六ペンスの次に本作を読んだ。
ここまで続けられたのは、作品としての魅力に加えて、行方氏の現代的な翻訳によるところが大きいと思う。本当に読みやすい。

短篇集とはいえ、ボリュームも多く読みごたえがある。
上下巻を通じて、モーム作品に見られる人間の二面性や矛盾した心理を、観客席から見るかのように楽しめる。
ストーリーにもメリハリがある。それぞれの話の最後がドラマティックで、終盤はドキドキしながらページをめくっていた。

当時の階層社会や人種への偏見を意識せざるを得ないが、現代人が忘れがちな心の豊かさについて考えさせられる。
巻末のあとがきには、翻訳者の研究を踏まえた要約・評論があって、これもまた興味深い。
モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)と合わせて楽しみたい。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By みやさま トップ1000レビュアー
形式:文庫
 本短編集には,長編「月と六ペンス」発表後の1921年(モーム47歳)から1931年の10年間に発表された作品集から選ばれた短編が収録されており,いずれの作品も素晴らしく,そしてとにかく面白いです。
 モームの作品に共通していえることは,短編であっても,最初から直接的に本編に入ることはせず,まず主要となる人物の周辺からゆっくりと語られていき,本筋に入ると終幕までぐいぐいと読者を引きつけ離さない,というスタイルではないでしょうか。
 従って,最初の数ページは,この物語がどう行った方向へ向かうのだろうと思いながら読み進めるのですが,読み終えた後,再び最初のページに戻って読み返すと,ああ,これは巧いなあ,と感心してしまいます。
 どの作品も良いのですが,有名な短編「雨」と同時期に発表された「エドワード・バーナードの転落」には感心しました。
 「雨」同様,南海の国(ここではタヒチ)が舞台となっていますが,「雨」と違うのは,大都会シカゴも舞台にし,この両者を対比して描写しています。
 主人公ハンターがタヒチからシカゴへと帰ってくる列車の中,彼は悶々と考え込んでいます。どうやら友人の女性イザベルの依頼をうけ,彼女の婚約者エドワードをタヒチから連れ戻してほしいと依頼されていたにもかかわらず,それがうまくいかなかったようです。タヒチでエドワードに会って,どのようなやり取りがあったのか・・・。
 「我々は,ある人と別の人の間に差異があると強調しすぎるのではないだろうか。もしかすると,最善の人間だって罪人であり,最悪の人間だって善人であるかもしれない」
 「ねえ君,満足を味わえたというのは,それほど些細なことかい?人は,全世界を手に入れても魂を失ったら,何にもならないじゃないか。僕は自分の魂を手に入れたと思う」
 人間にとって,一体何が本当の幸せなのか。自分にとっての幸せが,他人にとっては苦痛であるかもしれない。
 ハンターの生き方が幸福なのか,エドワードの生き方が幸福なのか。
 ぜひ,本作品を読んで考えてみてください。

 「人間は相互に矛盾する要素を持つ複雑な存在である」というのは,モームの作品に共通する最大のテーマです。また,矛盾があるからこそ,人間は面白く,それが作品にもなり得るとも言えるでしょう。
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