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モードとエロスと資本 (集英社新書)
 
 

モードとエロスと資本 (集英社新書) [新書]

中野 香織
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

エロスのエネルギーこそがモードを盛り立て、奢侈品の消費が資本主義を牽引してきた。しかし中世以来の循環が金融危機以後、停止。時代の映し鏡であるモードを通して変化を遂げる社会を描く!

内容(「BOOK」データベースより)

デフレ、エロカワ、少子化…時代の映し鏡であるモードを通して、劇的な変化を遂げる社会をリアルにつかむ一冊。

登録情報

  • 新書: 192ページ
  • 出版社: 集英社 (2010/5/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205436
  • ISBN-13: 978-4087205435
  • 発売日: 2010/5/14
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:新書
つい先日、女の後輩と話していたら女は同じ服をなんども着ることができないため、必然的に買いまくっては捨てる、買いまくっては捨てるということを毎年繰り返しているということを聞いた。何年も着回す男からすれば、なるほどそうかという面白い話だったのだが、どうもそんな女のファッションの「常識」も変わりつつあることが、本書『モードとエロスと資本』の冒頭、その贅沢なイメージとは正反対に見える「エコ」を取り入れつつある近年のモードを取り上げることによって明らかになる。

本書は服飾史家でエッセイストでもある著者が、世紀が変わり時代も変わり、そしてファッションの潮流すら変わりつつあるということを活写するエッセイ集だ。

ただ読んでみると、本文でも紹介されているヴェルナー・ゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』と鹿島茂『セックス亡国論』が種本のようである。特に、前者はタイトルからして本書への影響の大きさがわかる。

かつての服飾産業の発展の裏に、資本主義とともにエスタブリッシュメントらによって繰り広げたら恋愛という原動力があったことを明かすヴェルナーの本に依拠する本書が描くのは、現代において女性ファッション誌等で盛んに取り沙汰される、そもそも恋愛という目的のための手段であったはずの「カワイイ」「エロイ」といったキーワードが、いつのまにか「男不在」のなか空転し、自己目的化していっているという状況である。女子たちは「カワイイ」を追究すれば追究するほど、彼女らは恋愛から遠ざかっていく。

ここら辺の事情は、ゼロ年代のオタク評論家の本田透の議論と比較すると非常に興味深い。本田は現実の女性に絶望したから三次元恋愛へオタクが退場したのだと叫んだ。しかしこの本を読めば分かる。恋愛から退場したのは男のオタクだけではなかった。自分ではまだ退場していないと思い込んでいたオシャレな女の子たちも、実は恋愛という実がともなっていなかったのだ。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ebith
形式:新書
ファッションに求めるものが、異性の視線⇒同姓の視線⇒自分自身の視線へとうつっていく様は、「あぁ、確かに」と納得させられます。
この自分を気にする傾向は、ファッションのフィールドのみならず、広く消費嗜好全般にも当てはまるかなと。
「嫌消費世代の研究」と合わせてよむと、今の時代の消費・嗜好傾向に対する理解が深まるのではないでしょうか? 

社会の「一場面」を俯瞰してそこから横展開に様々な現象・思考をぶつけていく、その最初の一歩として本書を手に取るのもいいかと思います。

各章要約
■第一章:倫理を着こなすリセッショニスタ
古着交換会「X-Chang」のように、お金をかけずに服の交換を通してコミュニケーションを楽しむ姿勢は、欧州のリセッショニスタ(倹約でありながらファッショナブル)と通じるものがある。
ビジネスを行う上で、「オモテ」の見せ方は非常に重要だ。その点、デザイナーは毛皮を「天然素材で長く使えてリサイクルできる環境に優しい素材」と位置づける。他の業界同様、ファッション業界も、21世紀のマインド=環境問題等に沿う戦略を取り込む必要性が増している。

■第二章:「失わない」ための服装術
フェースブックの経営者、米国の議員選挙、パーティでの女性の立ち振る舞い。それぞれのポジション、それぞれの場所で最も良い印象を与えられるファッションがある。同じグループ、社会に受け入れてもらうために、容姿までも作りこまなければいけない社会。それは自分のポジションを「失わない」ために、ドロップアウトしないために必要な活動になってきている。

■第三章:暴走資本主義が愛を蹴散らし、モードを殺す
モードファッションの主流は、異性にモテるファッションではなく同姓からモテるファッションへ変わった。恋愛の刺激が、都会生活の刺激にとってかわり、恋愛を「面倒なこと」と考えるマインドが根付きつつある。人間の「めんどくさい」を代行してくれるビジネスが栄えるのは資本主義の宿命か。

■第四章:現実を超えていくための「マンガと「エロい」
世界中が「カワイイ」を模倣しつつある。「カワイイ」の視線の先に異性はおらず、それは「自分の喜び」のために装われるだけだ。ファッションの根底にある「視線の投げかけ」は、「異性」から「同姓」、そして、最後は「自身」の視線に落ち着くのだろうか。
個性ではなく、キャラをたてることが大切だ。個性をだすと社会にはじかれるが、キャラを立てれば社会の同調(たとえ少数であれ)を得られ、一つの「安全地帯」を持つことができる。

■第五章:ラグジュアリーと激安品のはざまで
ブランドは利益を追求しすぎるほどに、理念・コンセプトからますます離れていかざるを得ない時代。アートの主流は「装飾過多=ロココ」から、「簡素で質素な装飾=新古典主義」を経て、再び「装飾の時代=アール・ヌーヴォー」と変遷を重ね、節目ごとに無駄をそぎ落としてきた。同じ道筋をファッションもたどっている…さて、次はどこへ向かうのか。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 家計を担うもの トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
そして10年後に読み返してみたい。
ゼロ年代を切り取る一視点として示唆に富んで非常に面白い。

「不純な動機が一番純粋」871569箭内語録の一つですが、
モードを動かす原動力でもあった訳ですね。

「富の誇示」→「倫理の誇示」原動力というには弱い印象。
「かわいい」「エロい」「倫理」「良心」も分散している今を良く表している。

モード=旬のある生もの的な本書。
面白さを味わうには、いま手にした方がいい。
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