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モーツァルト (講談社学術文庫)
 
 

モーツァルト (講談社学術文庫) [文庫]

吉田 秀和
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

稀有の天才の全体像をエピソ-ド豊かに描くわが国の音楽批評の先導者・吉田秀和の出発点にはベ-ト-ヴェンでもバッハでもなく,モ-ツァルトの音楽があった.透徹した知性と鋭敏な感性に満ちた音楽評論集

内容(「BOOK」データベースより)

モーツァルトは、父親にヨーロッパ中をひきまわされていた従順な神童時代ばかりでなく、一生を通じて漂泊する人であった。イタリア、フランス、南北ドイツのあらゆる音楽の流れに身をひたし、バッハやヘンデル等の影響下において彼等と対決し、18世紀音楽の完成者となった。わが国の音楽批評の先導者が、楽曲の細部に即して語りつつ稀有の天才の全体像を構築した、陰影に富むモーツァルト論集

登録情報

  • 文庫: 270ページ
  • 出版社: 講談社 (1990/12/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061589490
  • ISBN-13: 978-4061589490
  • 発売日: 1990/12/5
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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27 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
不朽の名作 2006/2/1
形式:文庫
 モーツァルト生誕250周年の今年、今後様々な「便乗本」が出てくることだろうが、そんな中にあって吉田秀和氏の本書はいよいよ輝きを増すことだろう。

 内容的には過去のモーツァルトに関する評論をまとめたものなので、さすがに古くはなったが、古い名演奏が今でも聴き継がれているように吉田氏の音楽に対する確かな耳とそれを的確に、流れるように綴った文章は色あせることがない。格調高い語り口は今なお新鮮である。

 モーツァルトに関心を持ち始めたとき、本書に紹介されている演奏を片端から聴いたことが懐かしい。そしてその選択が今でも正しかったと思っている。

 吉田氏はもうかなりの高齢となってしまったが、惜しむらくは氏の後継者が育たなかったことか。威勢のいいはったりや耳に優しい文章をを並べることはできても音楽の本質に深く切り込める評論家がいかに少ないことか。
このレビューは参考になりましたか?
57 人中、55人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 吉田秀和の文章は、楽しくて人を裏切りません。相撲の話でも、セザンヌの話でも、いつも文章は生き生きしています。モーツァルトとなればなおさらです。(感嘆符が3つもついた文章のユーモア感!!!)

 吉田秀和がモーツァルトについて書いた時、前には小林秀雄の「モォツァルト」がありました。たたみかけるような名文で悲劇の天才を論じた小林秀雄のエッセイには、妖しい魅力があり、毒がありました。多くの音楽ファンが小林秀雄の毒の虜になり、悲劇的な短調のモーツァルトが世に定着しました。吉田秀和は、そのような環境の中でモーツァルト論を書き始めました。
 オペラに目もくれない小林に代わって「フィガロの結婚」や「魔笛」の魅力について語り、短調部分だけでなく長調の部分にこそ透明な哀しみが潜んでいることを解き明かし、何よりも無駄のない音符の配列の妙に天才のゆえんがあることを力説してくれました。18世紀のヨーロッパという時代背景についても、目配りがきいていました。

 モーツァルトファンにとっては、今でもバイブルのような本です。

このレビューは参考になりましたか?
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 嘗て新潮文庫と中公文庫から出ていた多くの吉田秀和の本が、現在本屋の棚に並んでいないのは寂しい限りである。全集が売られているせいかもしれないが、この著者のように真に文化の担い手としての力量をたたえ、日本の戦後文化に多大な影響力を持った人の文章が読まれなくなるということに、現在の我が国の文化の衰弱を感じ取るのはわたしだけだろうか。

 日本語でこのような音楽論を読めるということにまず驚き、感謝したくなるような一冊である。映画「アマデウス」に描かれたモーツァルトのイメージにふりまわされないように。天才的な聴覚的感性と構成力を備えた、それゆえに粗雑な音楽が創ろうにも創れなかった人間。吉田が論じる音楽は、それを創りだした作曲者の人間像に迫り、その産物である楽曲を演奏するものの内面に言及し、ひいてはそれらの背後にある文化や人間生活の実相に及ぶ。そこでは音楽は一つの専科ではなく、もはや普遍的な「もの」である。その一方で、アインシュタインの「死とはモーツァルトが聴けなくなることだ」という言葉に素直に共感できる柔らかい心がこの著者にあることも忘れてないけない。

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