古くはベームのベテラン歌手を総動員したものから最近収録されたものまで、ほとんどのフィガロを見ていますが、これは数あるフィガロの中で最上位と言ってもよいと思います。イタリア人中心のモーツァルトはイマイチという偏見がありますが、これは文句なくすごいです。特に若い歌手が素晴らしい。伯爵夫人はスザンナを演じても良いくらい若い。スザンナは、逆に伯爵夫人を歌ってもよいぐらい風格がある。ケルビーノは、中年のおばさん然とした歌手が歌っているケースもよくありますが、このDVDでは、美少年らしくて好感を持ちます。伯爵とフィガロはどちらも素晴らしいバリトンで、私個人としては、逆の役回りの方が良いと思いました。現にベルリン国立オペラでは、ガロがフィガロを歌ってました。メータの指揮も素晴らしい。ムーティのような凝集力はないかも知れませんが、力づくの強引な面もないので、モーツァルトにはよくあっているのかもしれません。10年近くもウィーンの監督のポストにいながら、何の実績も残さなかった(というよりあまりの不人気でスタンダードな名作オペラの指揮を一切させてもらえなかった)某国の名指揮者とは、所詮持って生まれた音楽性が違うようです。メータを見直しました。後宮からの誘拐も良かったです!!