べーム/ベルリン・フィルは、1959年から1968年にかけて、モーツァルトの交響曲全集を録音した。本集はこのうち後期6曲を所収したものだが、同時期、カラヤン/ウイーン・フィルは40番 (1960年)、41番 (1963年)を録音
Legendary Decca Recordings。さらに大御所ワルターも手兵コロンビア響と同6曲を1959〜60年にかけて収録
Bruno Walter Conducts Mozart。いずれも<黄金の60年代>を象徴する覇を競うような名演である。
晩年、ベーム/ウイーン・フィルの新録音もあり、これも実に見事なものだが、小生はベーム絶頂期の緊張感途切れぬ本集を好む。ベームは、50年代のワルター/ウイーン・フィル、ニューヨーク・フィルの快刀乱麻、縦横無尽ともいえる先行録音はもちろん意識していただろうが、それに対して、あくまでも<ベーム流>の重心が低く重厚無比、テンポ安定、一部の隙もない迫力あるモーツァルト像を自信をもって提起している。録音の古さは否めないが、この確固たる解釈と凝縮感はやはり大きな魅力である。
◆交響曲第35番 K.385『ハフナー』(1959年10月)
◆交響曲第36番 K.425『リンツ』(1966年2月)
◆交響曲第38番 K.504『プラハ』(1959年10月)
◆交響曲第39番 K.543(1966年2月)
◆交響曲第40番 K.550(1961年12月)
◆交響曲第41番 K.551『ジュピター』(1962年3月)