このモーツァルトのコンサート・アリア集8曲中、K.416, 418, 419, 538の4曲は、モーツァルトの妻コンスタンツェの実姉であるアロイジア・ランゲのために書かれたものである。
アロイジアは、モーツァルトが定職のない貧乏作曲家であった頃、すでに人気プリマ・ドンナであったこともあって、モーツァルトの求婚を断わりモーツァルトに深い失恋の痛手を負わせた。しかし、二人の親交はその後も続き、モーツァルトは彼女のために多くのコンサート・アリアを書いた。上記の作品からは、アロイジアの優れた歌唱力を、うかがい知ることができる。
それにしても、おそるべし、グルベローヴァ! アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団のサポートのもとに、見事なコロラトゥーラの歌唱を聴かせてくれる。しかも、全曲ライブ録音(各曲に拍手が入っている)であることは、彼女の卓越した歌唱能力の証といえよう。1991年6月の臨場感溢れる録音。