モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」のCDといえば、フルート協奏曲とのセットで発売されるのが一般的であり、このCDのように、クラリネット協奏曲とのセットで発売されるのは珍しい。ここに収録されている2曲は、以前、2枚組みの「モーツァルト:管楽器のための協奏曲集」に収録されていたものであり、その協奏曲集から、パイヤール室内管弦楽団演奏分をカップリングしている。
「フルートとハープのための協奏曲」は、特に、フルートの奏でる華麗で美しい旋律が印象的な名曲なのだが、対照的な曲作りでありながら、いずれも評価の高い2枚の演奏で聴き比べてみた。そのもう1枚とは、カラヤン指揮ベルリン・フィルのゴールウェイ、ヘルミス盤である。
ゴールウェイ盤は、カラヤン指揮ということからある程度、想像できるとおり、オーケストラ主導であり、あのゴールウェイが特に自己主張するでもなく、フルートがオーケストラと寄り添い合い、渾然一体となって、協奏曲を奏でているのに対し、このランパル、ラスキーヌ盤は、ランパルの明るく、華麗で、伸びやかなフルートが、強く前面に出ているのだ。どちらも、協奏曲としての一つの行き方だろうが、私は、この曲の性格から、ランパル盤の方に大きな魅力を感じる。この曲に一つだけ、難をいうとすれば、どうしても、音色的に、ハープがフルートに負けてしまい、ハープがフルートの伴奏のように聴こえてしまうところがかなりあることであり、それは、あの名手ラスキーヌといえども、例外ではない。
ちなみに、このランパル盤は、「21世紀の名曲名盤」(2004年音楽之友社)の同曲中で、ダントツの第1位にランクされている。
併録しているモーツァルト没年に書かれたクラリネット協奏曲は、特に、第2楽章アダージョの哀愁を帯びた美しい旋律が印象的な名曲であり、ランスロのクラリネットも、名演として名高いものだ。