正直、バーンスタインは私の好きな指揮者ではない。このCDを買ったのは、オジェーのファンだからだ。だが、これらの演奏を聴いて、本当に驚いた。そして、それ以上に感動した。特に、アヴェ・ヴェルムと大ミサ曲ハ短調は、心が揺さぶられるような、感動を与える名演奏だ。指揮者、オーケストラ、ソリスト、合唱団が心をひとつにして、同じ方向を目指したときに起こりえる奇跡だ。オジェーファンとしては、エクスルターテ・ユピラーテも気に入っている。想像力をかきたて、楽しい気分にさせてくれると思う。
このCDを聞いてから、バーンスタインに対して批判的だった自分自身に対して、恥ずかしさを覚えずにはいられなかった。やはり、彼は偉大な指揮者だった。
バーンスタインは、この録音から約半年後に急逝した。これだけの名演奏を聴かされると、彼は自分の死期が近いことを悟っていたのだろうか、と考えてしまう。オジェーはまだ若かったのに、録音から約3年後には天国へ行ってしまった。その意味では、私にとっては、このCDは、単に名演奏というだけでなく、特別な意味をもっている。