ジョスカン・デ・プレやデュファイからショスタコや武満徹まで聴いた。
相当な時間を費やしたが、素晴らしい体験だった。もちろんすべてを聴いたわけではないけれども、たくさん素晴らしい曲に出会った。
緑輝く風景を想起させる音楽や、強い喜び、悲しみを思わせる美しい曲、
そして有名でない作曲家にも素晴らしい者がたくさんいる事を知ることができた。
そこで出した結論。
やはりモーツァルトだろう。
我々の聖人名簿の指定席にふさわしいのは、彼のほか考えられない。
聴くたびに新たな発見のある曲、飽きの来ない曲、心にしみる曲。
彼の作品にこそふさわしい、煌びやかな称賛の声。
「耳を不快にさせることなく、かつ熟練の音楽家にも楽しめる音楽」
モーツァルトはこう手紙の中で本物の音楽とはこうあるべきだ、と述べていたが、まさにその通りだ。
何度も聴いた曲なのに、ある日突然、新しい発見をすることが彼の曲ではしょっちゅうある。
「ここでこの楽器こんな音出してたんだ…」とか、そのたびに私は驚かされどおしだ。
そして、若いころ聴いていた曲がまた違うように聴こえて、ずいぶんと心に沁みる。
本物たる音楽のゆえんが少しでも理解できたかと思うと、また涙が出てくる。