柴田元幸氏の責任編集による季刊の文芸誌。今回は、なんとポール・オースターの大特集。こういった特集はサリンジャーの特集をやって以来かな。大満足のいい特集でした。
ポール・オースターの翻訳を手がけている柴田元幸氏のことだから、いつかはこの雑誌でポール・オースターの特集を組むのだろうなって予想はしていたけれど、やはり、とてもいい特集に仕上がっている。
冒頭は、「私はジャガイモ」と題された昨年の12月にニューヨークで行われた、オースターと柴田氏の対談。ポール・オースターの翻訳経験も踏まえて、翻訳と創作の関わり合いなど若い作家志望者向けのいい対談だった。
その他、盛りだくさんの特集だけれど、最も好きだったのは、オースターの未訳のエッセイを集めた「ポートレイツ」の中の
1編、「シェイ・スタジアムでの夜」。オースターの野球好きは知っていたけど、この文章を読むと、いかに彼が野球を愛しているのかが分かる。テリー・リーチ、よく知っていたなぁ。
また、オースターの未訳5作の書き出しを集めた「オースター近作書き出し集」はずるい。早く翻訳してくれぇって、まだ、『オラクル・ナイト』も読んでいない自分だけど。
特集以外では、小澤征爾と村上春樹の対談も良かった。音楽が聞こえてくるようだった。