新訳ということですが、翻訳の日本語がこなれて無く古くさく感じました。その点、光文社新訳文庫のポー作品とは好対照。
ポーの怪奇的作品には多少古くさく感じる翻訳も良いのかもしれないのですが、意味不明の翻訳も散見される。特に「モルグ街の殺人」ではおかしいと感じました。
念のために光文社文庫版と比較し、さらに原書にも当たって見ましたが、この新潮文庫版の翻訳では意味がよくわからないで訳しているか、訳す際の日本語の使い方がおかしいとしか思えませんでした。
わかりやすい例を一つだけあげると、「網膜の内側に比べ外側では」という訳が出てきます。普通の人には、この日本語で網膜についてのどこのことを言っているはかわからないはずです。訳者が日本語でのわかりにくさを犠牲にしても、直訳を意図されたのならそれは一つの考え方でしょうが。