出版社/著者からの内容紹介
<本書の構成より抜粋>
本書は、「iモードJavaプログラミング」シリーズの姉妹書として、モバイルFeliCa(モバイル フェリカ)の仕組みや活用事例、システムの概要と基礎知識、サービスの導入、そして具体的な開発手順からプログラミング手法、プログラム事例、各種リファレンスまで、この1冊でモバイルFeliCaのすべてがわかる構成となっています。
モバイルFeliCaは、「おサイフケータイ」というサービス名称で、NTT DoCoMo、au、Vodafoneの3キャリアで提供されていますが、本書の具体的な開発環境やプログラム解説とプログラミング事例は、NTT DoCoMoのモバイルFeliCa対応携帯端末の「フリー領域」のみを対象としていますので、ご注意ください。
本書の読者対象としては、Javaのプログラミング経験とiアプリのプログラム開発を行ったことがある方を前提としています。iアプリのプログラミング入門の解説は本書では行っていませんので、姉妹書の「iモードJavaプログラミング FOMA対応版」など別な解説書を先にお読みになることをお薦めします。また、携帯アプリと連動するネットワークやサーバーの設定、サーバーサイドのプログラミングに関しても、詳細な解説は行っていません。
本書にはCD-ROMが添付されていますが、開発環境は付属していませんので、本文を参照して、該当のWebページより開発環境をダウンロードする必要があります。さらに、PCと連動するプログラムの開発には、リーダー/ライターやツールが別途必要になります。あらかじめご了承ください。
<本書の内容>
本書の各Partの概要を以下に紹介します。
■Part1 準備編
モバイルFeliCaの全体像をその仕組みからシステムの概要、サービスの導入手順に至るまで解説します。また、SDKや開発環境の構築、セットアップから開発手順まで順を追って紹介します。
■Part2 開発編
NTT DoCoMoのモバイルFeliCa対応携帯端末を使ってフリー領域を活用するプログラムの開発手法を主要なAPIを使いながら具体的に解説します。また、三者間通信機能やそれを活用する「かざポン」を使った事例も紹介します。
■Part3 プログラム事例編
具体的なサンプルプログラム事例を紹介します。なお、ソースコードは、すべてCD-ROMに収録されていますので、そちらをご覧ください。
■Part4 各種リファレンス
NTT DoCoMoのフリー領域に関するiモードJava拡張APIリファレンスやFeliCaツールバー関連のドキュメント、かざポンAPIのドキュメントなどを掲載しています。
<付属CD-ROMについて>
付属CD-ROMには、下記のソフトウェアおよびドキュメントと、本書で紹介したサンプルプログラムのソースコード、実行形式のファイルなどが含まれています。なお、掲載したプログラムは、NTT DoCoMoのF902i、N902i、P902i、D902i、SH902iで動作確認を行っています。
■FeliCaツールバー(Windows用ソフトウェア)
■FeliCa HTMLタグを利用したHTML文書作成ガイド(PDFファイル)
■FeliCaツールバーからかざポンへのデータ送信方法(PDFファイル)
■外部リーダ/ライタから携帯端末内の特定機能を起動するデータフォーマット仕様書(PDFファイル)
付属CD-ROMに収録されたサンプルプログラムは、各自の環境に合わせて修正を行わないと正しく動作しない場合があります。本書の該当箇所を参照の上、修正を行った上で実行テストを行ってください。
なお、本書の最新情報やサンプルプログラムの更新情報は、Webサイトで随時公開します。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
1月末からJR東日本のモバイルSuicaもはじまり、「おサイフケータイ」の普及がますます加速しようとしています。みなさんのまわりでも、Edyやヨドバシカメラなどの会員証、モバイルSuicaなど、ケータイを使って決済をする人を見かけるようになったのではないでしょうか。身の回りで使う機会がずいぶん増えてきた「おサイフケータイ」ですが、アプリをダウンロードして使うだけでなく、プログラムを組んで新たな活用ができることをご存じの方は少ないと思います。
本書「モバイルFeliCaプログラミング」では、これまであまり明らかにされてこなかったモバイルFeliCaの仕組みやプログラムの作り方に焦点を当てて、これ1冊でモバイルFeliCaの開発が行えるように情報を網羅しました。もちろん、電子マネーを活用するなどの本格的なプログラミングは本書の情報だけでは行えませんが、QRコードや赤外線通信などの代わりに「かざして」データをやりとりするプログラムは、比較的簡単に作ることができるのです。
本書に掲載したサンプルプログラムの例でいうと、基礎体温表をつける携帯アプリがありますが、ここで入力されたデータをPC等で活用する場合は、サーバーにデータを送るなどの仕組みが必要でしたが、モバイルFeliCaなら、パソリなどのリーダー/ライターに「かざす」だけで簡単にデータをPCに送ることができます。また、モバイルFeliCaの固有のIDを利用した簡易な認証システムなども作ることができます。
このように、ちょっとしたプログラムを簡単に作れることがモバイルFeliCaの魅力でもあります。「おサイフケータイ」の新たな活用方法を、ぜひ本書で見つけてください。
著者からのコメント
電子マネーによる少額決済の本格的な幕開けが、ケータイによってもたらされようとしている。これまで幾多の世界的企業が大規模な投資によって市場の立ち上げを試みたが、普及に至らなかったのはご存じのとおりだ。9,000万台を突破したケータイのプラットフォームに電子マネーとして実績があるFeliCaが搭載されることで、その成功は約束されているように思える。しかも、電子マネーとしてだけでなく、社員証や鍵などの認証デバイスとしての活用やネットワークとの連携などの汎用性や利便性を持つ、まさに夢のデバイスなのだ。
しかし、簡単だからとか便利だからといった理由だけで、慣れ親しんだ習慣からすんなり乗り換えてくれるほど甘いものでもないだろう。ケータイは便利なツールとしてだけでなく、愛着を感じる道具になっている。ケータイと一体になった利便性や実用性だけが、モバイルFeliCaのキモではない。愛着のあるケータイがおサイフになるからこそ、多くの人に受け入れられるのだと思う。
モバイルFeliCaでは、プログラムが介在することで心地よいインターフェイスの実現やちょっとした遊び心、ある種のリアリティ的な感覚が利便性や実用性に加えられることが肝心だろう(Edy決済時の「シャリーン」は典型的な事例と言える)。
FeliCaの強固なプラットフォームや仕組みも非常に重要だが、愛着を感じる使い勝手やワクワク感を実現するために、システム開発の人間が果たす役割は依然大きい。単なるユーザーインターフェイス設計だけでなく、システム全体に渡ってユーザーへサービスをいかに“演出”できるのか、リアル、サイバー、スタンドアロンとさまざまなシーンで活用できるモバイルFeliCaプラットフォームはその格好の題材でもある。
モバイルFeliCaには、ケータイにJavaが搭載されたドコモの503i登場以来のドキドキ感を感じてしまう。編集部では、503i登場の時も真っ先に名乗りを上げてプログラム本を作ったが、実は作り終えた直後に次のシリーズ(504i)が出るのが待ち遠しかった。なぜなら、ケータイの進化に合わせてこの先にやりたいことがもっと実現できることがわかっていたからだ。
今日のモバイルFeliCaもまったく同じ状況だ。モバイルFeliCaはまだはじまったばかりで、開発環境や必要な情報が十分とはいえない点も多い。しかし、FeliCaとモバイルFeliCaのプラットフォームはこれからもますます進化し、その活用シーンはかぎりなく広がっていくことは間違いのないことだろう。本書を終えたいま、その進化したプラットフォームで、もっとおもしろいことが実現できるのでは、といまから待ち遠しい。
本書をきっかけに、さらにモバイルFeliCaの世界が広がってくれれば幸いだ。この本の前書きに書くのは少しはばかられるが、近い将来、本書の次の改訂版でもぜひお会いできればと思う。