ひとりよがりの正義より、ものの道理が世の要。正論をふりかざし、わめく、がなる人々。正義も過ぎれば、道理がひっこむ。建前だらけの空虚な時代を生き抜く知恵と勘所。
いまの世の中、ひとりよがりの正義や正論を理屈で通そうとする人が増え、あちこちでいさかいやトラブルになっている。著者はその風潮を憂い、日本人にとって本当に重要なのは正義や正論に基づいた生き方ではなく道理にかなった生き方であると指摘する。現代の日本に蔓延する何となく空虚な空気。これこそ日本人自らが物事のウラにあるものや人間性の本音の部分を否定し、ひたすら清廉潔白を求め続けた結果でもあるという。この建前だらけの空虚な時代を生き抜く知恵と勘所を、著者ならではの視角から縦横無尽に説き尽くす一冊。
恒産なければ恒心なし、と孟子が喝破したその恒産とは、現代社会においてなら、高い実績と底深い学識と言い換えてもよいでしょう。世間からほんとうに認められていない内容空疎のガランドウの偽物にかぎって、目下の俗界に流通している出来合いの公式を以て身を飾る偽善者となります。書画骨董の世界で偽物が堂々と流通しているのと同じく、一般世間でも偽物人間が横行しています。真物か偽物かと見定める眼力が、その人を素晴らしくする要でしょう。
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