トップ・シンガーとして、不動の地位を確立した平賀マリカさんの新作は、至高のシンガー、ナット・キング・コールへ捧げたトリビュート・アルバム。ミュージシャンは、ギターのマーク・ホイットフィールドを筆頭に、NYなどで活躍中の一流の名手たちを起用。選曲もお馴染みの名曲揃い。多くのシンガーが様々な解釈で歌い継いできた曲を平賀マリカさんの歌唱で聴くと、あらためてその巧さが光ります。彼女の美点のひとつに、「原曲の持つ美しさ・情景をごく自然な形で歌いながら、より美しく、そして物語性豊かに描き直し聴き手に伝える」という卓越した表現力があることに気づかされます。例えば、ヴァースの語りから始まる「FLY ME TO THE MOON」のように、わざとらしさの微塵も感じられない唄い口でありながら、いつしか聴く者をオトナのおとぎ話の世界へと、さり気無く導く・・・ウーン、この辺りのもって行き方には、思わず唸ってしまいます。ナット・キング・コールの名唱で知られる不滅のナンバーとオリジナル「FAR CALL」の全12曲を収録。一日の終わりに、ゆっくりと寛ぎながら楽しめるアルバムです。