本作は、当時の自動車王ヘンリー・フォードを激怒させたことでも知られる。
もっとも、この後はアドルフ・ヒトラーを敵に回すことになるのだが、少なくともチャーリーは「アジテーター」じゃない。
もちろん、それが話題になることは承知の上だったろうが、凄いのはそれらの「警鐘」が現代にも活きていることだ。
「モダンタイムス」はチャーリー熟練の「喜劇」だ。決して「ドタバタコメディ」じゃない。
工場のイメージは、若干「メトロポリス」の影響もあるのかな、と思うが、そこで暴れまわるチャーリーの姿は、もう至高の業だ。
チャーリーとバスター・キートンが100年経っても「スーパースター」として残り、ロスコー・アーバックルが消えてしまったのは
ロスコーのスキャンダルのみならず、そこが喜劇とドタバタコメディの「境」だと思う。
クラウド時代を迎えて、我々の生活も化石燃料から「電気」へ完全移行しつつある。
自動車まで普通に電気で走ろうとは、チャーリーも想定していなかったと思うが、最近ふとこの作品を思い出すのだ。
機械を動かす立場から、機械(クラウド)の下で動かされる立場。
「モダンタイムス」はある意味恐怖映画だとも思うのだが、機械労働に飲み込まれて、おかしくなっていくトランプの姿は、
病んでいく現代を見透かしているようだ。
世の中はどんどん便利になるが、それに伴い失うものもある。
チャーリーの警鐘は、これからも永遠に生き続けるだろう。
星を付けるのもおこがましいが、とにかく5つ星です。未見の方はぜひ。