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ジャズを聴いてみたいが、ことモダンジャズとなると哲学的な雰囲気さえ漂い、ある種の敷居の高さを感じてしまう。そんなとき、格好の入門書となるのが本書だろう。大まかにくくると、ジャズはデキシー、スイング、ビバップ、ハードバップ、モードと発展してきたと言える。本書はそのタイトルどおり「モダンジャズの黄金時代」といわれるハードバップに焦点を絞った解説書である。マイルス・デイヴィスの作品「ディグ」(51年)がその始まりといわれるハードバップ時代の概要は、星野秋男によるエッセイ「ハードバップの歴史」に詳しい。そして、現在CDで聞ける名盤を150作品セレクトし、それぞれに丁寧な解説、ジャケット写真、録音データが添えられた「ハードバップ・ベーシック150 CD」が続く。この2つのセクションを読むだけでも、自分が聴きたいアルバムを見つけることができるだろう。この時代にはマイルス以外にもソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、カーティス・フラー、ソニー・クラーク、チェット・ベイカーといったそうそうたるミュージシャンたちが活躍しており、本書でも取り上げられているので、モダンジャズ入門者とっては本当にためになる。また、ジャズ上級者にとっても楽しめるエッセイ、伝記、インタビューも掲載されており、読みごたえ十分。瀬川昌久による「50年代ニューヨーク滞在記」がおもしろい。まだまだ海外渡航が制限されていた時代、足かけ6年間ニューヨークに滞在した筆者のジャズ体験がつづられている。伝説のクラブ「バードランド」で、あのソニー・ロリンズやアート・ブレイキーなどを生で聴いたという話などはファン垂涎というところか。活気あふれる「ジャズシティー」ニューヨークの雰囲気が伝わってくる。それにしても、あの時代のアルバムカバーのデザインはなんと洗練されていたことか。カラー図版は限られているが、モノクロでも十分に味わいが伝わるだろう。(齋藤聡海)
内容(「MARC」データベースより)
2001年は、ハードバップ第1号アルバム「ディグ/マイルス」誕生50周年。ハードバップは若いミュージシャンやリスナーに受け継がれ、聴き継がれてきた。節目の年を祝う、モダンジャズ黄金時代への旅。〈ソフトカバー〉