企業戦略や経済を考える上で、「モジュール化」という
概念が重要であることを改めて感じました。
本書では、「モジュール化」についての議論をまとめたうえで、
ワープロ専用機が敗退した事例をとりあげ、
今までの情報機器はモジュール化の時代であったと結論づけています。
そのうえで、モジュール化が近いうちに終焉し、これからは
「統合化」の時代が来ることを予言しています。
議論のまとめはわかりやすいですし、ワープロの事例も
個人的に身近ということもあり、興味深く読みました。
しかし、「統合化」の時代が来るという主張には肯けません。
一般的に「モジュール化」の定義を整理しないと
混乱するということが本書の冒頭で述べられています。
ですが、この本でのモジュール化の定義も結局曖昧なままに
終始し、論点がやや混乱しているように思いました。
例えば、最後の方でiPhoneやSaaSを統合化の例としてあげている
点について、見方を変えればどちらもモジュール化の例とも
いえるのではないかと疑問を持ちました。
モジュール化について興味のある人は、
まず
モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー)や
藤本隆宏
日本のもの造り哲学を読み、
それから本書を読むとよいと思います。