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モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー)
 
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モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) [単行本]

青木 昌彦 , 安藤 晴彦
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) + 日本のもの造り哲学
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社会のシステムとそれを裏づける理論には、ときにパラダイム的変化が起こる。1980~90年代には、市場化の理論とその方向の社会システムの変化が起こった。それ以前にはむしろ市場原理で見逃されていた人間的要因を重視する日本的経営の原理が評価されていたが、市場化の原理が新たなシステム原理として登場し、そして今、モジュール化という新しい組織の理論が脚光を浴びはじめた。分業は作業を分割化し専門化することによって組織の効率を上げる方法であり、複雑な工程を単純化し効率化する方法としてアダム・スミスも重視したことで知られているが、IT化・デジタル化の発展によってモジュール化と呼ばれる一種の分業が、コンピュータ産業、自動車産業、電信・電力産業などで組織革命を生みつつある。本書は、この新しい組織のモジュール化理論の提唱者であるK・Y・ボールドウィンの論文と日本の先駆者である編者たちの論文を含むモジュール化の理論と実例を示す格好の書である。

モジュール化とは、単なる分業ではない。全体として統一的に機能する包括的デザイン・ルールのもとで、より小さなサブシステムに作業を分業化・カプセル化・専門化することによって、複雑な製品や業務プロセスの構築を可能にする組織方法である。このことにより、複雑性が管理可能なものとなり、相互に調整しない並行作業が可能になり、下位システムの不確実性の問題に対処できる、という。今日のような急激な技術革新の時代には、新しい技術革新が事業成功の鍵を握るが、技術革新は不確実性が大きく、ひとつの技術にかけるよりも複数のモジュールに技術開発を競わせるほうが成功の確率が高い。

モジュール化の理論と実例を示す本書を読むと、「人間による情報の共有化」「垂直的統合」「匠の技術」を過信し、護送船団的にリスクを分散させてきた日本的経営がデジタル化・モジュール化時代に経済的優位を失った理由のひとつも理解できる。(丸尾直美)

内容(「MARC」データベースより)

経済学・経営学で注目を集める新しいコンセプトを、一般向けに解説。自動車、半導体など実際の産業への応用例も豊富で、今後の経済・経営を考える際のスタンダードになる本。

登録情報

  • 単行本: 334ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2002/02)
  • ISBN-10: 4492393706
  • ISBN-13: 978-4492393703
  • 発売日: 2002/02
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 プレーヤーとして狙うのはアーキテクチャーかモジュールか、を意識しないといけません, 2002/11/24
レビュー対象商品: モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) (単行本)
買っては見たものの、なかなか読み始めるきっかけがつかめずにいました。今回、2週間の米国出張に持っていく本の一つに加えました。時差ぼけ解消、移動などがあって、出張はまとめて本をよめるいいチャンスです。結果として、米国を旅しながらこの本を読んだことで理解の仕方がかわったと感じています。

 車で道を走れば、市内のローカル道路と都市間を結ぶフリーウェイがはっきりと分かれています。そして、その接続部分で流れが止まることのないような十分なジャンクションが用意されています。

 ホテルで電話をかけようとすれば、ローカル、長距離、国際と別々のシステムになっていることに気がつきます。それぞれの範囲ごとにキャリアが存在し競争をおこなっています。

 これらのことはこれまでにも目には入っていたわけですが、ある意味、慣れた日本のシステムとの違いを違和感としてしか感じていませんでした。しかし、本書の読解と並行しながら進む旅の中でそれらの設計の本質が自然に感じられてきました。モジュールの構成を決める全体のアーキテクチャーが設計され、モジュール単位で競争が行われるということが、この国では、当たり前の考え方なのですね。それによって成功した部分や、時に日本に対する政治的・経済的な要求の意味合いというものが、少しわかった気がします。

 本全体としてのまとめといったものがあるわけではなく、様々な論文やディスカッションがそれぞれ違った形でモジュール化を説明していますが、それによって分野横断の共通性を浮き彫りにし、このテーマのまとまりを感じることができました。

 本書で語られている課題は、今仕事で解決しなければならないテーマと大きな重なりをもっています。本書で参考文献としてあげられていた本(Disign Rules、等)を読み進めていきたいと思います。

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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「モジュール化」について、理論から応用事例まで丁寧に解説, 2004/9/14
レビュー対象商品: モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) (単行本)
 IT産業やゲーム産業、自動車産業をはじめ様々な産業において、近年ますますその存在感を示している「モジュール化」という概念について、理論から応用事例まで丁寧に解説している。理論の部分ではモジュール化の概念の最初の提唱者ともいえるクラーク氏とボールドウィン氏の論文が掲載され、応用事例の部分では現実世界でのモジュール化事例研究の分野で活躍してきた日本人研究者の論文が並ぶ読み応えある構成だ。

 モジュール化は何もIT産業や自動車産業に限って有用な概念ではなく、あらゆる産業で十分応用可能な、経済学的にも経営学的にも優れた概念であることを本書は強く主張している。もちろんモジュール化は万能の概念ではなく、本書でもどのようなケースに置いてモジュール化することが有効か、その数理的分析がなされている。しかし組織構造や製品設計、技術開発など身近なシーンで見受けられる汎用的概念であり、モジュール化の力が及んでいる範囲の広さを改めて認識させてくれる。本書の原典ともいえる『デザイン・ルール―モジュール化パワー―』よりも現実のビジネスでの事例が豊富で、読みやすいので、モジュール化理解への近道となるだろう。

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47 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 日本企業、競争力強化の鍵, 2002/3/15
レビュー対象商品: モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) (単行本)
タイトルは、若干学術的で難解なイメージだが、ビジネスマンでも理解しやすいよう事例研究を豊富に織込んでわかりやすく説明している。デジタル時代を迎えグローバル競争が激化するなかで、競争優位を構築するための戦略は高度化している。IT産業やソフトウェア業界で主に欧米で発展してきた「モジュール化」原理の普遍化により、経営戦略全般に応用できるよう試みており、コアコンピタンス、M&A、アライアンス、グループ連結経営など、企業の競争環境が大きく変わる中、競争力あるビジネスプロセス構築へのヒントを与えてくれる。日本でもこうした学術研究の成果を産業界が積極的に活用していくことが必要になってきている。
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