この翻訳本の出版後、2008年に原書のペーパーバック版の出版あり。序文(Foreword)が追加されていて、その内容が本書の性格を端的に示している。:まず、2008年という、外交的・政治的に重要な年を目印として、アメリカ、北朝鮮、東南アジア、中近東、その他諸々の国の情勢をすべて念頭に入れた上で、自国に有利な一手を打っていく、という手法が語られている。また、それが、チェスボードの所有者には決してなれない国(=超大国以外の国)の道だという達観がある。こうした用意周到さは日本も見習うべきである。著者は原書ペーパーバック版前書で「この本は単なる自伝・諜報本ではなく、自国のために何らかの形で役に立ちたいと願う全ての人々の力になるための本」だと述べている。これらを念頭において各章を読むと、記述された出来事が、単なる回顧録ではなく「世界というチェスボード上でのチェスの打ち方の教本」であることに読み手は気づくだろう。