本書を随分前に読んだ記憶が有るが、まだ映画化されてはいない様だ。当時は、これは映画化されるだろうと思った。潜入取材形のノンフィクションでありながらそれほど面白い。考えてみれば、ほとんどが闇の世界なので映画にならないか(^^;)>。著者は女性だが、それにしても大した度胸である。実際、命が危険にさらされる訳だが、そのあたりのサスペンスは下手な小説より面白いかもしれない。NYの夜景で路面から蒸気が立ち昇っているシーンをよく目にする。あれは地下を走るスチーム管から漏れるものらしいが、その地下に人々が暮らし、地底人じゃあるまいにコミュニティまで形成しているという事実に、アメリカの大都市の病巣の深さを思い知らされる。社会の落伍者たちが、単にホームレスとして街を彷徨うどころか地下に潜伏するとは、究極のドロップアウトと言えるだろう。コミュニティはまだ健全だが、漆黒の闇に溶け込んで化け物の様なネズミを食らう人間達の生態には、ゾッともするし哀れだ。富と成功の都NYその文字どおりの暗部に、本書は明かりを灯して案内してくれます。