ヒラリー・ハーンを初めて聴いたのは2000年のヤンソンス/BPOとのショスタコービッチのコンチェルトだった。この難曲を何の苦もなく弾きこなす抜群のテクニックもさることながら、曲の骨格をしっかりと描くスケールの大きい正統派の演奏に惚れてしまった。
彼女の良さは奇を衒わず曲の本質を見極めて表現しようとするところにある。素直な人なのだろう、聴衆に対する気配りもあり決して美形の範疇ではないが(失礼!)舞台の姿はたいへん美しい。彼女ならどんなオファーがきても先約をドタキャンするようなことはしないだろう(どんなにテクニックがあっても東響にあるまじきキャンセルをした庄司某は決してこのレベルには達しない)。4月の東フィル定期は残念ながら病気で来日できなかったが早いう!ちにまた実演を聴きたいものだ。
カップリングされた最もポピュラーな協奏曲の一つであるメンデルスゾーンも透明感のある演奏で20代前半の女性に期待する美しさを満喫できる。必聴の1枚である。