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メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故
 
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メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故 [単行本]

大鹿 靖明
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

100人以上のキーパーソンの取材によって次々に明らかになる新事実。

●原発事故発生時に東電トップは不在だった。勝俣会長は花田元文春編集長らと中国に視察旅行、清水社長は夫人同伴で奈良観光。焦った清水社長は自衛隊機で帰京を図るも、防衛相の鶴の一言で離陸15分後にUターン。ようやくたどり着いた東京は大渋滞で出社できず。

●電源復旧のためにかり出された電源車はのべ69台。しかし、どれも電源復旧には役立たない。電源車と原発をつなごうにも、ケーブルがない。やっと探し当てると、今度は倉庫の鍵が開かない。なんとか取り出しても、重さ1トンで簡単には敷設できない。危機的な状況のなか、喜劇的な失態が相次ぐ。

●福島第一原発撤退を言い出した清水社長に、菅直人首相は「撤退なんかありえない」と押し戻し、東電本店を数時間にわたって占拠した。「撤退はない! 命懸けでやれ! 60歳以上は現地に行け!」と激怒する首相に気圧されて、東電もやっと腹を括ることに。

●賠償を国が肩代わりすると思い込み、破綻寸前の東電に6000億円のキャッシュを気前よく振り込んだ東電メーンバンクの三井住友銀行。債権放棄やむなしの報道に驚いた経営幹部は掟破りの行動に出た。

●東電のドン勝俣会長の父親は代ゼミの「受験の神様」だった。熱血指導で、兄は新日鐵副社長、道路公団理事、東大教授、弟は丸紅社長の超エリートに。学歴秀才で気位の高い彼は「地震があったときに一番安全なのは原発なんだ。原発に避難したほうが安全なんだよ」と同級生に放言していた。

●菅首相の「鶴の一声」かと思われた浜岡原発の緊急停止は、実は、世論のガス抜きを図った経産省キャリアたちが仕組んだ罠だった。菅首相自らが記者発表したことで、ガス抜きどころか脱原発の機運が高まった。それに危機感を抱いた電力業界と経産省はより一層菅降ろしに邁進してゆく。


●その気になれば、経産省キャリアの人事まで影響力を行使できる東京電力。古賀茂明ら電力自由化を唱えた改革派官僚は軒並み放逐されて、東電べったりの官僚ばかりが出世する。かくいう状況では「脱原発」などの思い切った改革は望み薄だ。

内容(「BOOK」データベースより)

日本を崩壊寸前に追い込んだ福島第一原発事故。首都圏壊滅、3000万人避難の未曾有の危機に際して、官邸、東京電力、経産省、金融界では、いったい何が起きていたのか?『ヒルズ黙示録』で鮮烈デビューした著者が、菅直人、勝俣東電会長、経産省官僚などのべ100人以上の関係者を取材してわかった驚愕の新事実の数々。

登録情報

  • 単行本: 370ページ
  • 出版社: 講談社 (2012/1/28)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062174979
  • ISBN-13: 978-4062174978
  • 発売日: 2012/1/28
  • 商品の寸法: 19.9 x 13.9 x 3.1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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81 人中、70人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ちー
あの日から不思議だった。大震災、大津波、そして原発事故が起きたあの日。
原発事故の後、状況説明する記者会見が繰り返し行われた。放映されなかった部分はネットで追うこともできた。
会見で集中砲火を浴び、白髪が増して憔悴していく東電の社員は、単なる社員だった。
情報を伝達するのが役目で、決定権が一切ないのが明らかな人たちだった。
次々と原子炉の建屋が爆発して、周辺地域が今後どうなるかまったく見通しがたたなくて、放射能汚染に日本中がおびえていたのに、説明していたのは、単なる社員だった。福島県に最初に行った経営幹部は、社長でも会長でもなかった。
社長はどこ行ったの?
決定権がなく情報を伝達しかできない単なる社員を、日本中の非難の目にさらして、頭も心もおかしくなりそうな最前線の修羅場の矢面に立たせて、社長はどうして出てこない? 
本来なら、袋叩きにあうのは社長のはずだ。会社の顔だから、そのためにいるはずだ。「私は寝てないんだ!」で有名になった社長も、記者会見の場に出てきた上で、その発言をした。震災直後に信じられないシステムトラブルを起こしたみずほ銀行も、記者会見で頭取が状況を説明して謝罪した。当然だ。
天皇陛下は国民にビデオメッセージを送った。国の象徴として。
で、東電の社長はどこ行ったの? 紙切れ一枚のコメントを発表しただけ。
被災者や、電力利用者への説明責任はどうしたの?

それ以前に、東電って上場会社じゃなかった? 社債も公募してなかった? 東電に投資していたのは、直接、東電株や社債を持つ投資家だけじゃない。あの当時、株価指数や債券価格指数にも採用されていたから、ETFやインデックス投信や日本株・日本債券投信を通して、それはもう大勢の個人のお金が間接的に東電に投資されていた。
マーケットから広く資金調達をしているなら、投資家や債権者への説明責任があるはずだ。投資家や債権者の資金を預かって事業を行うのが経営者で、その代表が社長だ。
東電の株価が「半減期8日」で急落する中、社長は、なぜ出てこないの?
不思議で仕方がなかった。

この本を読んで、不思議は解消しなかった。やっぱり不思議な会社だと、理解できない思いが膨らんだ。
社長は入院中、一億円の住宅ローンをネットで完済したそうだ。そんなお金がよくあったな〜と思ったら、その謎はすぐとけた。
事故の後「役員報酬を半減する」と申し出たが、役員報酬がいくらか官邸から再三問い詰められるまで言わなかったそうだ。本によれば7300万円。それだけもらっていれば一億のローンも完済できるだろう。半減しても3650万円だ。その後すぐ、半減でなくゼロにした。半減を申し出た役員報酬を「個人情報だから言わない」って、あの状況で。
そして、そもそも電力会社の「総括原価法」による会計処理では、なんと株主への配当が原価に含まれて計上されて電力料金の計算根拠になっているそうだ。配当って、儲けから色々な費用を差し引いて最後に残った利益(基本的には株主のお金)を、株主の同意を得て処分するもので、そもそも原価とか費用にしちゃいけないんじゃなかったっけ?

筆者は「メルトダウン」というタイトルは原発の炉心だけを指した言葉ではないと、あとがきに書いている。東電と経産省そのものがメルトダウンしていたのだと。
あの事故の後、賠償をめぐる様々なニュースをみて「電力会社は民間企業の立場と公益インフラ事業者の立場を都合よく使い分けている」と、色々な場面で感じた。
つきつめれば、そんなことができるのは、独占企業だからだ。
原子炉も企業も監督官庁も「メルトダウン」してもなお、電力供給をその会社に頼らざるを得ないのは、独占企業だからだ。
原発を独占企業が動かしているから、こんな不思議なことになったのではないか?

ち密な取材、ところどころで噴出しているけど全体的には感情を押さえた文章で、読み手のモヤモヤや「?」や驚きが自然にわいてくる一冊。
確かに、これは「読み始めたら止まらない」(と帯に書いてある)、そして「会社って何?官庁って何? インフラって何?」と、根本を考えさせられる一冊だ。
このレビューは参考になりましたか?
60 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
アエラの大鹿記者による、福島第一原発被災後の対応をめぐる政・官・財の右往左往と、その後の東電救済についての権力闘争を、当事者への直接取材を含めた取材によって明らかにした、驚愕のノンフィクション。細切れに報道されていた事実を、まとめることで、当時の関係者の無能、無責任と、僥倖によって現在のつかの間の安定があることを教えてくれる生々しいドキュメントである。

村上ファンドや、ライブドア事件での、鋭い切れ込みに比べると、対象が余りに巨大かつ広範なので、やや喰い足りない面もあるが、まさに驚愕ものの証言が多数。しかし、関係者があまりに率直に、当時の感想や、救済策の背景や駆け引きを語っているには驚かされる。もはや重要事実の隠蔽など不可能な時代になっているのだ。

以下、印象的なフレーズ:
「原子力村のお歴々はみな巨大津波の想定を知っていたのだ。それなのに、会長の勝俣にも社長の清水にも知らせなかったという」
「そのとき斑目は」・・・「「アチャー」という顔をした。両手で頭を覆って、「うわーっ」とうめいた。頭を抱えたまま、そのままの姿勢でしばらく動かない。」
「午前5時25分、菅が乗り込んできた。課長の一人はてっきり自分たちを総理が激励に来たのかと思っていた。だが、違った。いきなり罵倒したのだ。」
(清水社長について)「何を聞いても、「あ」「はい」「では」の3つばかりだった。」
「やっと、わかりました。社内の力学が。清水ではなくて勝俣です。」

菅の総理大臣としての成績は落第としかいいようがないと思うが、俺様キャラ・菅の、福島第一撤退(東電は、「退避」だという)をほぼ決めていた東電への恫喝がなければ、今、こうして安穏と書評を書いているような状況ではなかったこと、本当に日本滅亡の崖っぷちに立っていたことを、本書であらためて確認したのである。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
さすがアエラ記者のルポだけあって、臨場感も十分だし、
どの部分も面白かったです。

とくに第1部、悪夢の1週間は、原発事故直後の現場の
話や官邸の刻々と悪化する事態への対応など、スリル満点
のドラマのようでした。

こんなに知らないことがあることに驚く。こんなに、国
民を欺いてきた政府にげんなりするが、それ以上に東電
の馬鹿さ加減に驚くばかりでした。
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取材の量
取材源の質
文章の読みやすさ
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引き込まれるように一気に読めます
「プロメテウスの罠」は記事の集合体です。この「メルトダウン」はノンフィクション小説の体裁です。
読みやすいく、臨場感満点です。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: kさん
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